夫のスマホを同期すると衝撃の事実が

 今まで娘さんが「スマホを買って!」とせがんだのは数十回。しかし、有紀さんは「ダメなものはダメ」と連呼するばかり。とはいえ「なぜダメなのか」をきちんと説明できない有紀さんと娘さんとの間に溝が生じていました。筆者は「娘さんはもう右も左もわからないわけではないでしょう。最低限の分別がつくはず」と諭しました。4月の新学期から登校するにあたり、クラスで仲間外れにならないため、どうしてもスマホが必要でした。最終的には有紀さんが折れた格好です。

 しかし、例の一件で有紀さんには新品を買い与えるほど金銭的に余裕はありません。思い返すと有紀さんは1年前に機種変更をしたばかり。古い機種ですが、製造年はまだ5年前。少々、バッテリーの減りが早いものの、特に問題なく作動します。そこで有紀さんは旧スマホを初期化し、設定し直し、娘さんに渡すことにしたのです。

 そして自宅のリビングでWi-fiにつなぎ、各種の設定を進めていたのですが、「どの端末を同期しますか?」という画面に。候補として「Yukiの端末」「Hiroshiの端末」の2つが表示されたそうです。前者は有紀さん、後者は夫のスマホなのでしょう。迷った有紀さんに筆者は、「旦那さんを選べば、旦那さんのデータが復元できるかもしれません」と助言。

 有紀さんは言われるがまま、「Hiroshiの端末」を選択すると、今度はIDとパスワードを入力する欄が現れました。夫はスマホのデータを定期的にバックアップするため、自動的にクラウド上に保存する機能を使っていた模様。最新のバックアップの日付は昨日の16時でした。IDに会社代表のメールアドレス、パスワードに夫の生年月日を入力すると認証が完了したようです。そして8分ほどが経過。設定が完了したことが表示されたのですが、いくつかのアプリを開くと復元されたのは夫のスマホ。どう考えても本人だろうと思われる内容ばかりでした。

「2人がつながっていたんです!」と有紀さんは手をわなわなさせながら言います。有紀さんは真子さんの不可思議な言動に最初から最後まで悩まされ、苦しめられ、傷つけられたのですが、2人のメールのやり取りでその理由が明らかになったのです。真子さんはあくまで操り人形で操作の主は夫。夫が裏でこっそりと手を引いていたことが──。

 まず2020年6月~8月、真子さんがロイヤリティと家賃未払いの催促を無視した件は夫が「仮病でも使っておけばいい」とアドバイスした形跡が。次に2020年9月~12月、真子さんが化粧品販売を始めた件は、夫が「何でもいい。あいつは情が深いから、頑張る姿を見せておけば大丈夫だ」と指示した様子が。さらに2021年2月、真子さんがドタキャンを繰り返した件は「あいつと会うのは危険だ。逃げちゃえよ」と入れ知恵した履歴の数々が残っていたのです。

「これってどういうことなの?」

 有紀さんは同期済の旧スマホを片手に、夫を問い詰めたのですが、悪びれずにこう言い放ったのです。「真子は遊びだ。いつでも切れる」と。そして「離婚するつもりはない。お前とは腐れ縁だよ」と前置きすると、一部始終を白状し始めたのです。