7. 世間体ファーストなお金のやりとりはいらない

 1500万円まで非課税となった子や孫に贈る教育資金。親世代にお金がないのならば、祖父母の出番となりそうだが……。

「節税対策とか金銭的な余裕がある場合でも、それが相手にとっていいこととは限らないし、自立を妨げるリスクになるかもしれません。まずは“自分の財政ファースト”でいきましょう。“自分自身を大切にする姿勢”を貫くことが、子ども世代、孫世代の自立を応援する財産になると私は考えます」

 現在、それぞれの家計の格差は思っているよりも大きく、比べだすとキリがない。誰かと比べず、自分の家計を大切に考えて行動することが安心できる暮らしにつながるという。

「例えば、嫁の実家が孫に500万円あげたからわが家も出さないと格好がつかないなどと、見栄を張る必要もありません。自分のやり方と相手のやり方は違って当然。お金を出せる人が出したいだけ出せばいいのです」

 祖父母なら普通はお金を出すべきなど、“普通”という名の呪縛にとらわれた“世間体ファースト”はやめよう。可愛い孫だからこそ、相手を思う気持ちや真心を伝えることが大事だ。

8. 自分を大切にして老後のお金に不安がらない

「節約などをしすぎてお金に関してストレスをためている人ほど、お金はあの世に持っていけないと言うような気がします。私の場合、あの世に行くまではお金が必要と考えて大切にお金を使うことを心がけています」

 節約すると思うと我慢からストレスがたまるが、大切に使うと思うとゆったりした気持ちになる。お金の使い方は生き方そのもの。乱暴に使えば乱暴な暮らしになり、お得ばかりを求めると損得勘定に追われる暮らしに。

「自分を大切に生かすためにお金を大切に使うことを常に意識すれば、それだけで無駄買いの習慣は激減するはずです」

 また、老後のことなど、未来の不確実なことを思い悩むのもキリがない。生活をミニマルにしておくと「これでやっていけそうだ」、「なんとかなる」と実感できることが増えるはずだという。

9. 「0円デー」を作って毎日買い物しない

 スーパーの夕方に出る半額食材など、お買い得品をたくさん買って結局使い切れずに捨ててしまう……。そんなことはないだろうか?

「お買い得とはいっても出費は出費。買わなければ0円ですむので、本当に必要なものだけ買うべきです」

 店に行く前に買い物リストを作っていき、たとえ半額シールがついた品でも、リストになければ買わないでおくべし。

「また、何も買わない“0円デー”を設けるのも効果的です」

 その日は冷蔵庫に入れっぱなしの食材などに目を向け、それだけで料理を完成させる。1日目を乗り切ったら2日目にもチャレンジ。今あるものだけで工夫すれば大丈夫という自信がついてくるのだ。

10. 「今ならお得」の誘惑に負けない

 買い物などでポイントを貯めるポイ活が流行っているが、還元率の高い日やお得なネットストアを検索するのはひと苦労だ。

 ポイ活をするなら徹底的にやらないと、妥協して高い買い物をしたり、決済アプリがスマホに増えすぎて、どこで何を使ったかわからなくなってしまったりというデメリットも。

「特に電子マネーは、『今なら○円お得』などのキャンペーンがありますが、最初の期間だけに適用されることが多いのです。最初は大盤振る舞いだったのに、結局ポイントや新しい仕組みを使いこなせないままキャンペーンが終わることになりがちです」

 もしポイントを貯めるのならば“瞬間ポイ活”がいいと森さん。

「私は高額なPCを買ったときにアプリでポイントを貯め、すぐにポイントを消費してアプリを消去しました」