11. 店の人の目を気にして必要な個数以上を買わない

 森さんの友人である裕福な女性のお宅に、子どもと2人でお邪魔したときのこと。帰りに、子どもにケーキを買ってあげたいと言われ、ケーキ屋に立ち寄った。そこにはおいしそうなケーキがたくさん並んでいたという。

「女性に『あなたとご主人はケーキを食べる?』と聞かれたので、『夫は甘いものを食べませんし、私はおいしいものをたくさんいただいたので、もうお腹がいっぱいです』と正直に答えました。するとその女性は、子どものために1個だけケーキを買ってくださいました」

 普通ならば、1個だけだとお店に悪いかなと思い、少し多めに買ってしまうところだが、必要な数のケーキしか買わなかったのがポイント。

 その女性から無駄のない合理的なお金の使い方を学んだという。

12. 自分へのご褒美はリスト化して無駄買いしない 

 頑張った自分へのご褒美と称して、ブランド品を買ったり、高級エステに行ったりと、ついつい無駄遣いをするというのはよく聞く話だ。しかし、ご褒美の内容は普段の買い物同様にリスト化して、時間を置くのがいい。自分をクールダウンさせるのに効果的だからだ。

「そうすることで、やっぱりいらないとなるかもしれません。本当に必要なのかという点で、楽しみながらも欲望をコントロールできるのであれば、満足度の高い買い物ができるでしょう」

 ご褒美は頑張るモチベーションを上げるためには必要なものだが、リスト化していったん落ち着くのが無駄なお金を使わないコツだ。

13. 予定外の出費でも定期預金は崩さない

 森家では、メインバンクの普通預金の口座に毎月1か月分の生活費を入れる。その範囲内でやりくりし、お金が余ったら定期預金の口座に入れ、普通預金の残高をゼロにする。そしてまた新しく1か月分の生活費を入れる、というやり方で家計を回している。ただ、予定外の出費があっても決して定期預金は崩さないという。

「自分の定期預金口座から借り入れてあえて借金をします。定期預金を持っていると、それを担保に銀行から低金利で借り入れができるシステムを活用しています。リボ払いやキャッシングと比べると雲泥の差で使いやすいです」

 借り入れなので、通帳の明細にはマイナスとしてしっかり記録される。マイナスがはっきりと目に見えることで、使いすぎのチェックにも。 

「借り入れ後は、翌月の定期預金の貯金を減らして借入金を返済します」

 あえて借金するという発想が、使いすぎを抑制するのだ。

 ミニマリストになるためにもっとも大事なのはモノが欲しくなったときに自分の心の声に忠実になり、これは必要か、必要でないかを冷静に見極めること。

 暴走しがちな欲望をコントロールすることができるなら、私たちもミニマリストになれるかもしれない。

 教えてくれたのは……森秋子さん ●1979年生まれ。東京都在住。夫と子どもの3人暮らし。30代で始めた「ミニマリストになりたい秋子のブログ」で人気ブロガーに。近著『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める』(KADOKAWA)が好評。

〈取材・文/東野りか〉