テレビが今より話題の中心だった時代、ニュースやワイドショーの時間の「顔」は、みんなの関心ごとでもありましたーー。時代の変遷や衝撃、ワクワクを伝えてくれたあの人は、今、どうしているの? 還暦を迎えた寺田理恵子さんの今を取材しました。

寺田理恵子(てらだ・りえこ)
 1961年、東京都出身。聖心女子大学卒業後、フジテレビに入社。結婚を機に退社しフリーになるも離婚。再婚後に引退したが、死別し復帰。フリーアナとして活躍するほか、認知症サポーターとして朗読ボランティアや教室を開催。9月に『「毎日音読」で人生を変える―活力が出る・若くなる・美しくなる』(さくら舎刊)を刊行予定。

夫と死別、仕事を探すも難航

 7月に還暦を迎えた寺田理恵子さん。

「高齢者のお仲間に入れていただくと、60歳は若いと言われます(笑)。60代という新しいスタートラインに立てて、これからが楽しみです」

 フジテレビ時代は『オレたち!ひょうきん族』の“2代目ひょうきんアナ”として人気だったが、5年で寿退社した。

寺田理恵子、フジテレビ在籍時代

「その後フリーとなり仕事を続けるも、レギュラー番組を持っていると、『子どもの入学式だから休みます』というわけにはいきません。子どもの成長を見届けていきたいという思いがあり、何度か、レギュラー番組を自ら降板しました」

 しかし、結婚から9年で離婚し、その後、再婚して仕事は引退することに。ところが51歳のときに夫とは死別してしまう。

「お風呂場で倒れてそのまま亡くなったので、心の準備もなく、しばらくはうつのような状態でした。でも、収入が途絶えて、子どもを養っていかないといけないので、仕事を探したんです。

 アナウンサーの仕事は14年もブランクがあり、とても復帰できるとは思えなかったので、興味のあった介護の仕事をしようと思いました。でも、ことごとく採用されず、やっと採用されたのは事務職。ここでもパソコンが使えず、自分のスキルのなさを悟りました。そんなとき、以前、お仕事を一緒にしていた生島ヒロシさんが声をかけてくださり、もう一度、アナウンサーの仕事をすることになったのです」

 現在は、「心とからだ磨きの朗読」を主宰し、声に出して文字を読むことの大切さを伝えている。

「文字を読むというのは、実はとても奥が深いんです。そのときの自分の気持ちが声に出てしまうので、同じ文章でも人によって読み方が異なります。私は毎日、新聞を声に出して読んでいるのですが、ぜひみなさんもやってみてください。声を出すと脳を刺激して認知症予防にもなりますし、口を開けることで口角が上がって、お顔のたるみ防止にもつながります。腹式呼吸で声を出すので、姿勢もよくなり、お腹もへっこみますよ。

 9月には『「毎日音読」で人生を変える─活力が出る・若くなる・美しくなる』という音読本も出版し、音読のすばらしさを広めていきたいと思っています」

 認知症サポーターとして朗読ボランティアも行っている寺田さん。

「私の母は認知症を10年患って亡くなりました。あのとき、もっと認知症について学んでおけばよかったと思うことが多く、これからも朗読の力で認知症の方に寄り添っていければと考えています」

(取材・文/紀和静)