『新しい地図』の稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が特写インタビューに登場。ここでは、大河ドラマ『青天を衝け』の徳川慶喜役も話題! 草なぎ剛の個別インタビューをお届けします。

慶喜は「よくわからない人」

――大河ドラマ『青天を衝け』の収録もあとわずか。この1年はずっと徳川慶喜という役と寄り添ってきたわけですけど、草なぎさんにとって慶喜はどういう人物でした?

「よくわからない人でしたね(笑)。勝手に大政奉還しちゃったり、幕府軍を置いて江戸に戻ってきちゃったり……ホントつかみどころがない人でした。歴史上の謎でもあるので、そんなミステリアスな部分も楽しみながら演じています」

――考え方が武士ではないですよね。合理主義者で、すごく現代人っぽい人のような気がします。

「頭が切れるし、時代の先を読む力もある。武士という立場は慶喜にとっては生きづらかったのかもしれないですね。だって、明治に入ってから生き生きしてますもん。絵を描いたり、自転車に乗ったり、写真も好きでよく汽車を撮ってた。今の鉄オタの元祖ですよ(笑)。

 格好もすぐに洋装に替えちゃったし、将軍時代からナポレオンにもらった軍服を着てた。たぶん、ファッションも好きだったんでしょうね。将軍を退いて、ようやく本当の自分になれたのかもしれない。あとちょっとでお別れだけど、慶喜を演じ切れたら大きな自信につながると思います」

――11月には舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』が再演です。

「2年前と比べると年もとったし体力も落ちてるから、結構プレッシャー(笑)。フィジカル的にもメンタル的にも追い込まれるような激しい舞台ですから。でも、ウイという役を演じているとつらさや疲れを超越する瞬間があるんですよ。それがめちゃくちゃ楽しい(笑)。舞台ならではの魅力にあふれた作品なので、自分の全エネルギーを燃やし尽くしたいと思います」

――この夏はどんな感じに過ごしていましたか?

「毎日暑いからクルミとレオンの散歩は早朝しか無理で、めっちゃ早起きになりました。おかげで生活リズムも整って、健康的に過ごせたような気がします(笑)」

【コラム】

まだまだハマってます!

「ジーンズはもういいかなって思ってたんですけど、この間気になったヴィンテージものを買っちゃいました。でも、最近は心の底から欲しいってモノだけを買うようにしてるんです。モノからもらえるエネルギーもあって、若いころは手当たり次第買っちゃってたけど、今は全然物欲はなくなりましたね。年かな(笑)」

演じることの密かな楽しみ

「慶喜もですけど、アルトゥロ・ウイもよくわかんないキャラクターです(笑)。いつも、ふつふつと燃えているんですけど、なぜそんなに燃えてるのかはわからない。そのワケのわからなさが演じていて楽しいんです。不思議なもので役に入り込めば込むほど、そんな自分を客観的に見てる自分がいるんです。こいつ、こんな燃えてて、おもしろいヤツだなって(笑)」

やり続けるって大変……

「YouTubeはネタが尽きてきちゃって大変です(笑)。外に出られればクルミとレオンを連れてキャンプとか、やりたいことはたくさんあるんですけど、今はできないですからね。でもやり続けることが大事だと思うし、同じことでも時間を空けてやってみると違う感覚があったりもするんですよ。なので、あまり悩まずマイペースで更新していきたいです

取材・文/蒔田陽平
ヘアメイク/荒川英亮
スタイリスト/細見佳代
衣装協力/masterkey(TEENY RANCH)