国民的祝福もない。国民的喝采もない。その一方で国民的関心は相変わらず高い。

 小室圭さんが約3年ぶりに帰国した。成田空港、自宅前と取材陣が集まり、まるで国内での“小室劇場”の再演の幕が開いた体だが、そのシナリオの先には、小室家の思いどおりになるだろう。

 秋篠宮家の長女・眞子さまとの結婚は既定路線で、もう誰もお二人を阻めない。その結果、お姫さまと一般人の結婚という逆シンデレラ物語を、小室家は手に入れることになる。

結婚さえしてしまえば……

 さらに今回久しぶりにメディアの前に登場した小室圭さんに対し、辛口のコメントを連発していたテレビコメンテーターも、ポニーテール、精悍な顔立ちに対し、「大人っぽくなった」「愛する人のため(の行動)だと思う」など、いきなりの手のひら返しだ。

 現段階でこの変わりようであれば、50年後、100年後には歴史はきちんと修正されている。

「多くの日本人の反対世論に屈せず、愛を貫いた2人」 「3年間も会わずに、眞子さまのためにNYの弁護士試験を突破した小室圭さん」 「すべては母親の問題で、小室圭さんには1ミリも非はなかった」 「皇室離脱の際の一時金約1億3千万円を受け取らなかった世紀の愛」 「日本中に嫌われたカップル、アメリカで愛貫く」

……などなどの見出しが未来のメディアを飾る。

 そのころ小室家では、天皇の血を引く子ども、またその子どもがアメリカの地でしっかりとした社会的ポジションを築いているかもしれない。ケネディ家のような名家になっている可能性だってある。3~4世代ときが過ぎれば、今の日本の空気感などが伝わるはずはない。

 庶民がネットで騒ぎ、メディアによる鋭い問題提起があれど、眞子さま、そして小室親子にとってこの結婚は「生きていくために必要な選択」なのである。

 しかし、週刊女性がスクープした母親の金銭トラブルはいまだに解決の糸口さえなく、加えてここに来て、小室圭さんの“経歴詐称疑惑”問題、母親・佳代さんの“傷病保険不正受給疑惑”などが週刊誌に相次いで報じられ、“疑惑の総合商社”((c)辻元清美衆議院議員)然となっている。問題が解決しようがしまいが、結婚してしまえば、これまでのような反対世論は続かない。

 ネットを見てみると、すでに結婚については、「どうぞお幸せに」というあきらめにも似た声が徐々に増えている。その一方で「税金は1円も使わないで」「皇室終了です」「見たくもないニュース」「(結婚を)辞退してください」という声も根強い。

 総体的に税金さえ使わなければ結婚もしょうがない、という空気になりつつあるが、すでに、空港への出迎え、自宅身辺の警備体制などのために、国民の血税は使われているという現実。ネットの悲鳴は誰にも届かない。小室親子にも届かない。

 小室佳代さん・小室圭さん親子は、日本中に自分たちが振り撒いた嫌悪感を払拭することなく、日本人が皇室に感じる信頼性を棄損していることを食い止めることもせず、未来へと確実に歩み始めた。

 婚約内定会見から4年。困難の時期を克服し、やっとのことでたどり着いた結婚。こんなめでたいことはないのである。小室家にとっては。