総務省が出した回答

 '15年より始まったマイナンバー制度。ネットの声にあるように、事実マイナンバー(カード)関連の詐欺は多発しており、被害報告を含め、国民生活センターには数多くの相談が寄せられている。

【事例1】行政機関を名乗り、還付金の支払いにマイナンバーカードが必要との不審な電話があった

【事例2】漏えいした個人情報を削除するので、マイナンバーを教えるようにという不審な電話があった

【事例3】「訴訟履歴がマイナンバーへ登録されます」という内容の不審なメールが届いた

【事例4】「マイナンバーのカードは届いているか」と訪問があり1万円を支払ってしまった

【事例5】行政機関を名乗り、「マイナンバー制度が始まると手続きが面倒になるので、至急、振込先の口座番号を教えてほしい」との口座番号を取得しようとする不審な電話

【事例6】行政機関の職員を名乗り、「マイナンバー制度の導入に伴い、個人情報を調査中である」と、資産などの情報を聞き出そうとする女性の来訪

『朝日新聞』に掲載されたマイナンバーカードの広告
【写真】ネットで「詐欺だ」と指摘された黒柳徹子の広告

 いずれも60代以上の高齢者から国民生活センターに寄せられた相談だ。マイナンバーの通知や利用手続きなどで、国や自治体、公的機関の職員が家族構成、資産や年金・保険の状況、口座番号を電話やメールで聞くことはなく、国民生活センターは注意を呼びかけている。

 そもそもCMを作っている総務省自体が、ホームページにて《マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!》と呼びかけ、特設の窓口も設けている。

 このような状況にも関わらず、「よくわからないけど作ったほうがいい」とは、いかがなものか……。

 黒柳のマイナンバーカードのCMに、このような声があることをどう捉えているか、総務省に問い合わせると、以下の回答があった。

「マイナンバーカードは、オンラインでも安全・確実に本人確認を行える、極めて高い認証強度を持ったデジタル社会の基盤となるツールであることから、関係省庁とも連携しながら、その普及に取り組んでいるところです。広報を行うに当たっては、テレビCMに加え、雑誌などさまざまな媒体を活用し、利便性や安全性等について情報発信を行っております。

 黒柳徹子さんのCMにつきましては、幅広い世代がマイナンバーカードを認知するきっかけとなり、関心持っていただくことで、他の媒体を通じ利便性や安全性等についても知っていただきたいという意図で作成しております。

 いただきましたご意見を参考にしながら、引き続き、マイナンバーカードの利便性や安全性等について国民の皆様にご理解いただけるよう努力するとともに、丁寧な周知・広報に努めてまいります」(総務省住民制度課マイナンバー制度支援室)

 くり返された「利便性や安全性」。はたしてこのCMでそれは伝わったのか。“デジタルが苦手”な人に「オンラインでも安全・確実」「極めて高い認証強度」は説明されたのか。

 そして、そもそもマイナンバーカードは、「よくわからなくても作るべき」ものなのか。確実に、“言われたままに”作るべきものではないだろう……。