周りに流されず、自分の考えを自分の言葉で表現、発信できる個性が満島ひかりにはある。そこで、思い出されるのが樹木希林さん(享年75)だ。

 女優として数多くの映画・ドラマに出演した彼女だが、女優以外としての出演はNHKが最も多いのではないか(『温故希林』、『NHKスペシャル 樹木希林を生きる』など)。彼女もまた、自分の考えを貫き通す女優だった。樹木希林と満島ひかりにはどこか共通点を感じる。

 ちなみに、このふたりは樹木希林が亡くなる半年前、小泉今日子(55)が進行するNHKの音楽&トーク番組『マイ・ラスト・ソング』で共演もしている。

 小泉今日子もまた独立系女優のひとり。小泉は2018年1月に所属事務所から独立。そして直後の同年3月に満島も独立している。そう考えると、番組出演の際に大先輩ふたりから何らかの刺激を受けたのかもしれない。

期待される唯我独尊の平手友梨奈

 また、強い個性という意味では、独立がささやかれている元欅坂46の平手友梨奈(20)も、同じ系統に連なる。気難しい性格で、マネジメント側がお手上げ状態といわれる彼女。

 しかし、それすらも「自分がある証拠」、「個性的」と支持を続けるファンは多い。彼女の欅坂46脱退後の初のドラマ主演作品はNHKだった(昨年12月放送の『風の向こうへ駆け抜けろ』)。

 自分の考えを持った「強烈な個性」。NHKはここでも、彼女たちの個性、何者にもなびかない強い独立心に何かを託そうとしたのではないか。

 自分たちが発信したいメッセージを自らの言葉で伝えている影響力。

 自分たちでは届けられない層にリーチする発信力。

 そして、大きなもの(権力)から影響を受けない独立心。

 NHKに足りないもの、NHKがほしいと思っているものを持っているのが、彼女たち「独立系女優」と言えるのかもしれない。