「2月4日は神田沙也加さんの四十九日でした。法要は1月30日に身内だけですませており、『お別れの会』もコロナ禍という現在の状況を踏まえて、行われないことが所属事務所から発表されました」(スポーツ紙記者)

 昨年12月18日にこの世を去った沙也加さん。母は'80年代に一世を風靡したアイドルの松田聖子、父は神田正輝と、生まれながらにして注目を集めていた彼女の死は、世間に大きな衝撃を与えた。

「正輝さんはMCを務めるテレビ朝日系のバラエティー『朝だ!生です旅サラダ』に逝去後も休まず出演。気丈に振る舞っています。聖子さんはまだ気持ちの整理がつかないようで、出演予定だった紅白歌合戦辞退後も沈黙を続けています」(芸能プロ関係者)

 舞台関係者たちも、スターの喪失を嘆いている。

「出演予定だった舞台『銀河鉄道999 THE MUSICAL』は代役を立てて調整中ですが、白紙になってしまった企画もあるそうです」(同・芸能プロ関係者)

本番では難しい役を堂々と

 宝塚歌劇団や劇団四季で演出・振付家として活躍する謝珠栄さんも、彼女の才能を惜しむひとりだ。

「'08年に私が演出した『AKURO 悪路』というミュージカルのヒロイン役を演じてくれました。透き通った歌声と演技への情熱を感じて、出演をお願いしました」

 当時は女優としての活動を再開して間もない沙也加さんだったが、彼女の“ありのまま”の姿は深く印象に残っているという。

明るくて気さくで素直。演技に対していつも一生懸命という印象でしたね。舞台度胸もあって、本番では難しい役を堂々と演じてくれました」(謝さん、以下同)

 舞台は大成功。『AKURO 悪路』はこの年の“読売演劇大賞最優秀スタッフ賞”を受賞する。

授賞式にも仲間たちと駆けつけてくれました。またご一緒したいと、舞台にオファーをしましたが、残念ながらスケジュールが合いませんでした。その後、どんどん出演が増えて“アナ雪”など、ご活躍されていることをうれしく思っていました

 突然の訃報には、いまだ実感が湧かないという。

「信じ難いものがあります。悩みを抱えていても、誰にも見せられなかったのかもしれませんね」

 多くの人に愛された沙也加さん。喪失感が癒えるにはまだ時間がかかりそうだ。