目次
Page 1
ー 大リーグでは数人しか投げることのできない“スウィーパー”を

「あんまり大きいケガにつながらないように、まずは気をつけたいなと思っています」

 日本時間の5月6日、敵地ボストンで行われたレッドソックス戦に“二刀流”で出場し、試合後の取材で展望を語ったロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平

「“ショウタイム”の旋風を巻き起こした昨季に続き、今季も活躍に大きな期待を寄せられていますが、5月2日の試合で右股関節の張りを訴え途中交代。以降は様子を見つつプレーしていましたが、6日の試合では完全復活を見せつけました」(スポーツ紙記者)

 投げては7回11奪三振で3勝目を挙げ、打っては2安打1打点の大暴れ。くしくも、試合会場は1919年にベーブ・ルースが名を馳せたフェンウェイ・スタジアム。“二刀流”としては実に103年ぶりの歴史的な登板だった。

野球の神様”を思い起こさせるような活躍ぶりだが、今季は彼の“同級生”も目覚ましい働きを見せている。

大リーグでは数人しか投げることのできない“スウィーパー”を

「シカゴ・カブスに所属する鈴木誠也選手です。日本プロ野球では、広島東洋カープでベストナインや2度の首位打者にも輝いた鈴木選手ですが、今シーズンからメジャーに挑戦。開幕直後に9試合連続安打を記録するなど力を発揮し、4月には日本人として'18年の大谷選手以来となる月間最優秀新人にも選出されました。このところは失速が懸念されていますが、リーグ公式サイトでは《新人王どころかMVPを狙える》と評されています」(同・スポーツ紙記者)

 大谷はア・リーグ、鈴木はナ・リーグの所属。2人そろってMVPに選出されれば、昨季の大谷の受賞に続き歴史的な偉業。夢のような話だが、現地での具体的な評価はどうなのか。スポーツライターの梅田香子さんに話を聞いた。

鈴木誠也(シカゴカブス公式ツイッターより)
鈴木誠也(シカゴカブス公式ツイッターより)

「2人は同い年ということで、アメリカのコアな野球ファンが盛り上がっています。一部では“左足がすり足ぎみなのが似ている”と両者の打撃フォームを比較する声も」(梅田さん、以下同)

 鈴木は高校生時代、大谷と同様に投手としても活躍。海の向こうでも、イメージが重なるようで……。

「素晴らしい肩を持っているので“ピッチャーもできるはず”なんて声も。ボールを投げた際には、チームメートから“ピッチャーもやれ”と、からかわれていました(笑)」

 大谷は負傷の影響、鈴木は成績の低迷など懸念はあるが、梅田さんは2人の活躍に太鼓判を押す。

大谷選手の負傷は大きなものではなく、今年は投手としての活躍が期待できますよ。“スウィーパー”と呼ばれる、大きく横に変化するスライダーはすごい。大リーグではまだ数人しか投げていない新しい球種ですが、いつの間にか習得していました。

 鈴木選手の失速も、他球団が対策を練っている証拠ですから、ルーキーの彼はここからが勝負でしょう。守れて走れるというのは強みですし、選球眼もいいから極端な打撃の低迷はなさそうです

“新兵器”を手に入れた大谷と、新人ながら快進撃を見せてきた鈴木。2人がそろって栄冠を手にする日も近い!?