“残念な資格”も組み合わせで使える資格に変わる!

 今回紹介した“残念な資格”を持っていても落ち込むことはない。ほかの資格や新たなスキルがあればいいのだ。

「別の資格と組み合わせると相乗効果が生まれやすく、オンリーワンの存在になれます。野菜ソムリエの場合なら栄養士と組み合わせれば、野菜に特化した栄養の話題を提供できるようになり、仕事の幅が大きく広がる可能性も」

 中でも行政書士に必要な民法などの知識は、ほかの資格とかぶっていることが多く、ダブルライセンス向きだ。登記申請を独占業務とする「司法書士」や不動産取引を行う「宅地建物取引士」、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士なども相性がいい。1人で多くの業務を提供できると、かなり重宝される。

「行政書士の仕事は機械化や事務手続きの簡素化を受けてだんだん減り続けており、同業者の間での競争が激しくなっています。専門性の高いコンサルティング業務ができるようになれば、企業から信頼してもらいやすくなりますよ」

 ライバルが多い仕事では資格を活かしたセルフプロデュースが必要になることも。未経験の職種であれば実務経験者の話を聞いてみるのも手だ。

「行政書士のような難関資格を持っていても今の時代、独立開業の道は険しい。そのためには自分から営業ができるようなコミュニケーション能力を磨いておきましょう」

介護や保育は業界的に稼げない

 社会的に意義のある仕事だが、キツいわりに稼げないといわれているのが介護や保育などの福祉のジャンル。

「多少改善されたものの、業界特有の収支構造的に高収入は望めないのが現状です。しかし、資格の組み合わせで転職するときの高付加価値化につながります」

 介護職であれば、介護ロボットなど最先端の技術を扱える「スマート介護士」や、高齢者や障碍者の住環境の整備に関わる「福祉住環境コーディネーター」などが、現在はダブルライセンスにおすすめの資格だという。

「英語教育を実施する保育園も増えているので、保育士なら英語の資格を取得するのもいいですね。今後、求められる能力に合った勉強をすることで、稼ぐ力を身につけてみてはいかがでしょうか」

教えてくれたのは…Xさん
資格に精通しているスペシャリスト。宅地建物取引士など100個以上の資格を取得。