ノーブランド、ノーラベルの
ペットボトル飲料は安全?

 最近よく見かける“ラベルレス”のペットボトル。ゴミ分別が楽で、プラスチックも削減できるので環境にもやさしい。2018年の販売開始から人気を博し、テレワークの「まとめ買い」需要も相まって、通販のセールでも大人気になった。

 とはいえ、やっぱりラベルが付いていないと中身の得体が知れず、安全性が心配だ。躊躇が勝って、結局従来のラベル付きを選びがち……。そんな人も多いのでは?

 法律により、市場に並ぶ食品はパッケージひとつひとつに品質表示が義務づけられている。ただし、ダース単位で販売する場合は、外側の段ボールに品質表示がされていれば、中に入る個包装の表示は省くことが可能。ラベルがなくてもOKなのは、「箱売り」を前提としているからなのだ。

 日本では、清涼飲料水製造業を行うにはまず各都道府県の許可を取ることが必須。前提として怪しげなメーカーが参入できないため、国内生産のものならその時点で相応の規定をクリアした飲料であるといって問題ない。大手以外の業者からノーブランド品として販売されているペットボトル飲料もあるが、これらも同基準の品質が認められたものだ。

 注意点があるとすれば、海外メーカーのラベルレス飲料を買う場合。特にミネラルウォーターなどは、水本来の酵素やミネラルの質を損ねないために、殺菌処理が制限されているなどの海外特有の基準もある。事前に商品を調べてレビューなども確認し、品質が確かなものか見極めるとよいだろう。

東京農工大学 高田秀重教授
東京農工大学 高田秀重教授

お話をうかがったのは
東京農工大学 高田秀重教授


 専門は合成洗剤や環境ホルモンなどの環境汚染物質の研究。1998年からプラスチックと環境ホルモンの研究を開始し、2005年以来マイクロプラスチックの地球規模モニタリングInternational Pellet Watchを主宰している。プラスチック問題に関する書籍『プラスチックモンスターをやっつけよう! きみが地球のためにできること』(クレヨンハウス)などを監修。

取材・文/オフィス三銃士