双子を持つ親、メーカーの注意喚起を考えると意見交換会で示された乗車は避けるべきやり方に見えるが……。意見交換会を行った東急バスに運転士のベビーカーの担ぎ上げ方などについて問い合わせると、以下の回答があった。

本来NGな乗り方、大山たっての願い

「この意見交換会では、大山様よりユーザーの立場で乗降の大変さを乗務員に体感していただきたいとのご希望もあって、実際に乗務員が体感する様子がアップされたものです。お客様からお申し出があれば乗務員が乗車をサポートすることを基本としておりますので、実際には乗務員が単独で乗車応対することはございません」(東急バス)

 1人での双子ベビーカーの乗車は、大山の“あえて”の願いだった。同じく名指しを受けた都営バスに、ベビーカーでの乗車を運転士が手伝わなかった理由について聞くと、回答は以下だった。

「他のお客様のお手伝いもあり、スムーズに乗車されているように見えたので、乗務員がお手伝いをしなくても大丈夫と判断しました。一方で、座席の跳ね上げやベルトによる固定の補助といった必要な対応を乗務員が行ってはおらず、適切ではなかったと認識しております」(東京都交通局)

 今後の対策は。都営バスは全乗務員に指導を徹底し、利用者側にはホームページを見直ししたという。

「今後、乗務員の接遇研修を強化し、再発防止を徹底するとともに、双子用ベビーカーをご利用のお客様に乗車を体験いただくなど、さまざまな工夫を凝らしながら相互理解を深め、誰もが利用しやすい環境整備に努めてまいります」(同)

 すべての未来ある子どものために、育てる親、それ以外の大人たち、このようなニュースにコメントする人たち、そして社会そのもの……。すべてが互いに思いやれるような世の中はいつの日か。