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ー 会見はすべてPR会社が仕切っていた
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ー 紅白歌合戦にジャニーズタレントは出場できるのか
 9月7日、ジャニーズ事務所が記者会見を開き、ジャニー喜多川氏の性加害問題について認めた。当日、会場にいた芸能ジャーナリスト・佐々木博之氏が見たものとは。そして、会見での内容を受けて、同事務所のタレントを起用し続けてきたスポンサーが次々と、「取引を継続しない」との意思を表明するようになって──。

会見はすべてPR会社が仕切っていた

 ようやくといっていいだろう。7日、ジャニーズ事務所の記者会見が都内のホテルで開かれた。

 世間の注目度とメディアの扱い方が必ずしも一致するとは限らないが、この日会場に詰め掛けたメディアは200社を超えた。ムービーと呼ばれるテレビカメラの数は50近くあり、海外の有名メディアも何社か出席していて、この問題に対する注目度の高さがうかがえた。

 会見に臨んだのはジャニーズ事務所の新社長となった東山紀之、ジャニーズアイランドの社長・井ノ原快彦、元社長の藤島ジュリー景子氏、そして顧問弁護士の4人。

 今回の会見は時間の制限をせず、すべての質問に答える形で行われた。そのため終了までなんと4時間超という長時間に及んだ。吉本興業が2019年7月に開いた“闇営業”をめぐる会見は5時間半に及んだが、それに次ぐものだ。そして、芸能関係者しか感じなかったと思われるが、この会見はよくある芸能関係の謝罪会見とは若干異なっていたのだ。

井ノ原快彦
井ノ原快彦

 これまでのジャニーズの会見と言えば広報担当で“ジャニーズ事務所の番頭さん”と言われていたS氏が必ず会場にいたものだが、今回はその姿がない。会見でもその件について指摘されたが、東山新社長いわく、すでに退任しているからだという。

 S氏が関わっていたころは、会見はジャニーズ事務所との関係が良好ではないメディアは"出禁”になることもあった。しかし、今回は希望したメディアはすべて出席できているようだった。またこのような会見ではテレビ局の芸能デスクと呼ばれる人たちが現場を仕切ることが多いのだが、それもなく、事務所のスタッフも誰一人表に出てこない。受付から誘導、司会進行まですべてPR会社が仕切っていたのだった。

 この会社が芸能関係の会見についてどれだけ経験があるのかわからないが、スチールカメラマンの撮影位置について主催者側とカメラマンとの間でひと悶着あっただけでなく、会見が始まってからも司会の女性に対して記者からクレームがつくなど、会場会見はピリピリした空気に包まれていた。

「全員の質問に答えるというなら、挙手した記者を司会者が選んで指名するのではなく、前列端から順番にマイクを渡させればいいのだと思いますけどね。質問が済んだら隣の人にという風に。質問がない人は飛ばせばいいだけですから。いつもそうしてますけどね。芸能関係の会見を担当したことがないんだろうと思いました」(テレビ局記者)

 4時間超に渡った会見だったが、被害者の補償や救済、ジャニーズ事務所は今後どうなるのかということに関して具体的なことは明らかにされないままだった。何も決まっていない中で急かされて開いた会見という印象はぬぐい切れない。

 かねてからスポンサー離れと所属タレントの退所が懸念されていたが、大手スポンサーが次々とジャニーズに三行半を突きつけだした。アサヒ、キリンHD、日産などは今後、取引を継続しないことを明言している。

「海外でも大きく報道され、この問題が注目されています。『ジャパンラグビーアンバサダー2023』に選ばれた『嵐』の桜井翔さんはW杯開催地フランスの新聞で非難されています。そんな会社と付き合いがあるというだけで、海外からも非難を浴びる可能性は大いにあります。海外に進出しているグローバル企業と呼ばれる大手企業は今後ジャニーズと距離を置くようになるでしょう」(大手広告代理店社員)