口座開設は手数料無料のネット証券がお得

 新NISAを始めるうえでまず必要なのがNISA口座。最近ではテレビCMも盛んだが、どこで口座を開けばいいのだろうか?

「初心者がやりがちな失敗が、いつも行き慣れた銀行でNISA口座を開いてしまうこと。口座開設は断然ネット証券がおすすめです」

 基本的に株や投資信託の売買には手数料が発生するが、SBI証券や楽天証券などネット証券の一部はNISA口座での売買手数料を無料としている。

 それに比べて銀行や大手証券の多くではこれまでどおり数%の手数料が必要なため、取引のたびに数百円~数千円の費用がかかる。また取扱銘柄数も、ネット証券に比べて銀行は圧倒的に少ないのだ。

「手数料も高く、投資商品も少なく、何ひとついいことがない。初心者だからといって、NISA以外の投資をすすめられたりする可能性もあるので、銀行などには近づかないようにしましょう(笑)」

初心者はリスクの低い投資信託がおすすめ

 ところで、現行のNISAと、来年からの新NISAではどのような違いがあるのだろう。

「これまでの一般NISAは最大で120万円しか使えなかった非課税投資枠が合計360万円まで増えたり、限定されていた非課税保有期間が撤廃されたりと、いいことずくめ。

 さらに、新NISAでは『つみたて投資枠』と『成長投資枠』の2つを併用できるようになったことにも注目です」

 新NISAのつみたて投資枠は、現行の『つみたてNISA』を引き継いだもので、投資信託を対象とする。これまで年間投資枠は40万円までとされていたが、新制度では120万円に増額される。

 一方、成長投資枠は現行の『一般NISA』を引き継いでおり、一般株式への投資も可能。こちらもこれまで120万円だった年間投資枠が、240万円に増額されることに。

 しかも、これまでつみたてNISAと一般NISAは併用できなかったが、新NISAでは両方利用できる。これも大きな違いのひとつだ。

「初心者は株よりも比較的リスクの低い投資信託から始めるのがおすすめ。まずは、新NISAのつみたて投資枠を使ってみましょう」

新NISA
新NISA

 国が投資信託銘柄を厳選しているとはいえ、それでもその数は200近くもある。いったい何を選べばよいのか。

「初心者は、まずオール・カントリー一択。これを毎月積み立てるだけで十分です」

 オール・カントリーとは『eMAXIS Slim 全世界株式』の通称名で、その名のとおり全世界の企業の株式を対象とした投資信託だ。

「40か国以上、2800以上の複数の銘柄で構成されており、その中には誰もが知るアメリカの大手企業『アマゾン』『マイクロソフト』『アップル』なども含まれています」