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ー 「ポケモンレベル」で行われた“トレパク”

《制作のプロセスを調査しましたところ、複数の写真等を参考にしており、NICO様が発表されている写真も参考としていたことが確認できましたため、関係者の皆様との協議の結果、当該告知物の回収・撤去をいたしました。

 12月21日、東京・原宿商店街の公式HP、そして『株式会社ポケモン』公式HPにて上記の公式謝罪文が掲載された。発端となったのは12月16日から原宿・竹下通りで開催されているイベント『ポケモン原宿竹下通り HAPPYWINTER 23/24』(2024年1月9日まで)。

 原宿竹下通り商店会が主催するイベントで、期間中は通りに人気キャラクター『ポケモン』を用いたデジタルスタンプラリーやフォトスポット、特製ツリーなどを設置したコラボイベントだ。

 冬休み期間中ともあって多くの観光客が訪れては思い思いに記念撮影を楽しんでいるのだが、イベントのキービジュアルとしてPR看板やポスターとして使用されていたイラストの一つにある疑惑が投げかけられていた。

《竹下通り商店会 ポケモン原宿竹下通りHAPPY WINTER 23/24 にて 勝手に私の写真をトレスしたイラストがイベントに使われています。 とても不快です 今すぐ辞めて欲しいのと関係者様は連絡ください》

 X(旧ツイッター)にポスト投稿したのは、青やピンクといったカラフルな衣装、メイクで自身を“盛る”、かつて原宿を中心にブームになった「デコラ」ファッションを好む、『NEOデコラ会』リーダーとして活動する10代のNICO氏。

 12月19日、なんでも自身の写真が勝手に加工されて、イベントのイラストに使われているとして訴えていたのだ。投稿された画像では“検証”するように、NICO氏の写真とイラストを重ね合わせた画像もあり、確かに酷似ていることが見てとれる。

「ポケモンレベル」で行われた“トレパク”

『ポケモン原宿竹下通り』イラストで自身の写真が使用されたことを訴えたNICO氏(@twinkle_pink___公式Xより)
『ポケモン原宿竹下通り』イラストで自身の写真が使用されたことを訴えたNICO氏(@twinkle_pink___公式Xより)

「いわゆる“トレパク”疑惑です」とはネットの炎上事案に詳しいITライターの解説。

「NICO氏の写真とイラストの線が重なることから、トレースしてイラストを書き起こした作品と見られたのです。しかも、これを版権に厳しいポケモン側がやったことが拍車をかけて、ネット上で瞬く間に拡散されて表示回数は151万回超え。ネットユーザーからは“ポケモンレベルで”などと、ポケモン公式のライセンスイベントで“トレパク”が行われたことにショックを受けているようです。

 おそらく『株式会社ポケモン』というよりも、主催の商店街、間に入った代理店によるミスなのでしょうが、世界中にファンがいるキャラクター、しかも多くの外国人観光客が訪れる竹下通りでのイベントだっただけに残念な騒動でした」

 冒頭の公式謝罪がなされた同日、Xで《確認しました所 こちらの方無事撤去されました。迅速な対応ありがとうございました。》との大人の対応を示したNICO氏。大ごとには至らなかったようだが、“ポケモン”という巨大コンテンツを預かった商店街としては肝を冷やした騒動だったことだろう。