鍼灸の一つと見れば効果アリ「足つぼマッサージ」

 では、一説には2000年の歴史があり、アジア圏を中心に広く行われている足つぼマッサージはどうか? 

 足裏にあるという経穴(つぼ)を刺激する健康ワザのことで、指圧され、悲鳴が上がると同時に施術者から“あなたは肝臓が弱っていますね”と言われるシーンをテレビなどで一度や二度は見たことがあるはずだ。

「指圧と鍼灸(しんきゅう)はほぼ同じ。足つぼを指圧の一種と見れば、経穴を押していると考えることはできます。そして経穴には、血流改善効果があることが検証されています」

 漢方薬や鍼灸、ヨガといったものなど、現代西洋医学とは異なる施術や補完代替療法は効果が検証されているものもあり、すべて否定するわけではないという。

「例えば、がんになったら不安で不眠になることもあるでしょう。こうした患者さんにヨガを試してもらったら、眠りの質がよくなったという研究結果もあります」

 漢方に関しては日本東洋医学会がランダム化比較試験で厳しくチェック、一部症状に効果が確認されており、鍼灸師はれっきとした国家資格だ。

「怪しそうだと、すべてを否定するのはよくありません。私自身も鍼(はり)治療などで症状が改善したこともあります。西洋医学と対立的に捉えるのではなく適切な形で補完していくべきです。

 気をつけたいのは、補完代替療法の中には西洋医学を否定することで優位性を主張しているケースがあるということ。本来の医療を受ければ治るはずの病気が、補完代替療法のみしか実践しないことで“機会損失”となる場合もある。それは避けてほしいです」

 健康食品も伝統医療も、信じすぎてしまうのは危険。病院での標準的な治療を否定しているものには近づかないようにしたい。