好転反応は苦情防止の言い訳の可能性もある

 化粧品や健康食品でよく聞く“好転反応”。“これを使うと一時期ボツボツが出ることがありますが、それは体内の毒物が排出された証拠です”そんなセールストークについ納得してしまう人もいそう。

好転反応は医学用語にはありません。ボツボツが出たのは肌や身体に合っていないだけ。苦情防止の言い訳に使われることが多いのではないでしょうか。好転反応という言葉以外にも、免疫力というような〇〇力といったものにも注意。

 免疫力が上がれば上がるほどいいのかというと、それほど単純でもないのです。例えば花粉症には免疫力が高いことで起こる症状もあります。ほかにも、最近よく耳にする腸活や温活などといった言葉もその根拠となるものを調べてから判断すべき」

遠赤外線は身体を温める効果はある

 遠赤外線や足つぼなど、昔ながらの健康法は?

 遠赤外線は、深部まで到達するという遠赤外線を利用することで、血流を良くし、肩こりや腰痛などを和らげようというもの。

整形外科のリハビリ器具など、医療機器として流通している遠赤外線機器は確かにあります。ただし、あくまで身体を温めることで痛みや拘縮の緩和を狙ったもので、老廃物やコレステロールを排出するような機能はありません」

 毒素が出るようなことを謳う遠赤外線治療器に関しては疑ったほうがよさそう。

「こうした機器に限ったことではありませんが、補完代替療法は健康保険の対象外ですから、利用者の費用も大きな負担になってしまう。

 利用の適否を金額で線引きできるものではないですが、消費者庁や国民生活センターの報告によると、健康食品や美容製品などにおいて被害件数が最も多いのは、健康被害ではなく、契約トラブルなどの経済被害であることも知っておいてほしいです」