美智子さまが、お出ましにならない理由

'23年11月の皇宮警察音楽隊の演奏会。皇室の方々が一堂に会された
'23年11月の皇宮警察音楽隊の演奏会。皇室の方々が一堂に会された
【写真】大学時代の美智子さまが美しすぎる!

 常に国民に心を寄せられている美智子さまが、お出ましにならない理由はほかにもあると話すのは、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉さん。

「コロナ禍が収束し、外出が可能になったころ、各メディアが上皇ご夫妻の近況を報じると、ネット上では《上皇ご夫妻って引退した人でしょ》とか《美智子さまは目立ちたがり屋だな》など、心ない言葉が散見されました。

 逆にお出ましが減ると、批判的な意見も少なくなる印象なので、そうした意味でも外出を控えている可能性はあります。以前は批判的な意見があったとしても、はね返すほどの気力があったと思いますが、今はそこまでの体力がないのかもしれません」(河西准教授、以下同)

 美智子さまのご体調が回復する糸口は、“国民と触れ合うこと”だという。

'91年7月、雲仙普賢岳の噴火で被災した人を励まされた美智子さま
'91年7月、雲仙普賢岳の噴火で被災した人を励まされた美智子さま

美智子さまが皇后だった時代、週刊誌報道をきっかけにした誹謗中傷を受けて倒れてしまったり、『失声症』になったことがありました。しかし、そうした精神的につらい時期にも、“被災地には変わらず訪問し、心を寄せる”という姿勢でいらっしゃいました。被災者と触れ合い、被災者が喜んでくれることで、逆に美智子さまも救われている部分があったのでしょう。“国民に求められている”と認識することが、いちばんの回復材料だったのだと思います」

 美智子さまの“隠遁生活”が始まって3か月。国民がまた、お姿を拝見できる日はいつになるのだろうか。

「やはり国民が自分たちを求め、訪問先で歓迎してくれることが美智子さまにとって喜ばしいことなのだと思います。しかし、令和の時代となり、お出ましの機会が減る中で、外出すると誹謗中傷を受けてしまう悪循環になっており、美智子さまの“大きな活力の源”が失われているのかもしれません」

 “負のスパイラル”に陥っている美智子さま。早くお元気な姿を見たいという国民の思いは、はたして届いているのだろうか。

河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数