死を意識したがん。6人の孫が癒しに

乳がんがわかった'23年は、バブルガム・ブラザーズの結成40周年を迎え、ブラザートムさんとともに、精力的にライブを行っていた矢先だった。そのため予定していたライブをキャンセル。切除手術が終わったあと、'24年3月に復帰ライブを開催した。
「抗がん剤治療中で身体はフラフラ。でも、お客さんを前にすると神がかったような声が出て、誰かがパワーを送ってくれているようだった。アドレナリンが出まくってね。終わったあとは“バタンキューのすけ”で2日寝込んだけど最高だったね!」
40代で腎不全、50代で前立腺がんを乗り越えてきたが、今回の乳がんでは、年齢的にも死がよぎったと話す。
「昔は、病気になっても治療すれば治ると信じていたけど、70を目前にしてがんになり、さすがに今回は『もしかして』と思った。まだやり残したこともあるし、家族との時間はどうなるのか、葬式では何の曲を流そうか……なんて考えて、死を意識したよ」
札束が飛び交う六本木で、毎晩テキーラを一気飲みして遊びまくっていたバブル期。ハチャメチャすぎた人生を、自伝『WON'T BE LONG』でも振り返っている。3回の病気を経験して今感じているのは、「俺の病気は自分のせいだ」ということ。
「自分の魂と身体は別物。若いころは酒も飲みすぎたし、身体をいじめすぎてたから、俺の場合は自業自得だなと。自分の魂が悪いのであって、身体にはなんの罪もない。今さらだけど、身体に『ごめんな』と言いたいですね。今はその分、大事にしてるつもり。たばこはずっと吸ってないし、ちょっとでも調子が悪いとすぐ病院に行くし」
今年、古希を迎えるコーンさん。プライベートでの癒しは6人の孫と過ごす“おじいちゃん”としての時間だ。
「孫は男の子が5人、女の子1人。一緒に遊ぶのは体力的にも疲れるけど、何物にも代え難い。癒されるし、俺にはいちばんの薬だね」
現在は、ライブ活動を中心に行い、銀座に構えるバーの経営も行う。時々友人たちとシャンパンを楽しめるまで体調が戻ってきた。限られた残りの人生も、自分らしく力強く生きたいと話す。
「例えば『死に損ないだから』って言っちゃうと、腎臓をくれたカミさんにも、治療をしてくれた先生方に対しても、すごく失礼でしょ。俺は、周りの人たちに『生かされた』と思う。生かされた意味のある命だからこそ、限りある残りの時間を大事にしたい。自分も周りの人も幸せになるような俺の『生きざま=死にざま』を見せたいよね」
刊行記念イベントを5月24日に開催!

自伝の発売を記念して、5月24日(土)に六本木 蔦屋書店(東京都港区六本木6-11-1)でイベントを開催。バブル期の大ブレイクの舞台裏や、大物芸能人との交友、乳がんの闘病生活など、人生観をありのままに語る。