少年は祖父母と父親、兄2人の6人家族だった。母親は離婚して別居していたという。
犯行後に帰宅して食べた家庭料理
逮捕当日の早朝、少年宅に10人ぐらいの警察官が来て「何で来たかわかるか」と言われた少年は、動揺も見せず受け止めたという。
「少年の父親は、それがショックだったようです。少年が変わり始めたのは中学生になってから。家族が勉強などに干渉するのを嫌がるようになり、会話もほとんどなく、家出や深夜帰宅を繰り返すなど、素行が悪くなったといいます。家族から警察に相談し、少年補導員が定期的に面談していました。数か月前から家族の手料理を食べなくなっていたそうです」(全国紙社会部記者、以下同)
警察は、少年の部屋から凶器とみられる血のついた刃物を押収している。
「学校では授業中に寝ていることが多く、友達と親しく接する様子もなかったといいます。遅刻の常習犯で、家族とケンカすると学校でも機嫌が悪くなったそうです」
家庭でも、学校でも、露骨に不機嫌な様子をみせた少年は、近所でも同じだった。
少年と面識のある80代女性が振り返る。
「彼が登校する際に“おはよう”と挨拶しても無視されました。それが2回。反抗期なのかなと思いましたが、下を向いて暗い感じで行ってしまうんです」
具体的に何が不満なのか。
少年の自宅を訪ねると、祖父が玄関から出てきて「弁護士から、これ以上しゃべらないように言われています。お話しできません」と告げて戻っていった。
祖母にも取材を申し込むと、やはり「弁護士から何も話さないように言われていますので」と頭を下げた。

家族全員と距離があったとされる少年について、前出の記者は言う。
「犯行後に帰宅した少年は、数か月ぶりに家族の作ったサラダを食べたそうです。祖父母は“誰でもいいなら私を殺してほしかった”などと報道陣に述べていました」