予算のほどんどが「今やなくてはならない予算」
また、進行する少子化、また2024年も過去最低(1.15)を更新するなど一向に上向かない合計特殊出生率を引き合いに「こども家庭庁は解体して7兆円もの予算を返上せよ」という言説も多い。
果たしてこれは妥当な意見なのだろうか。
「妥当とはいえません。なぜならこども家庭庁の予算は、保育所や放課後児童クラブなどの運営費(令和7年度予算で約2.5兆円)、児童手当(同約2.1兆円)、育児休業等給付(同約1兆円)など主に厚労省から移管してきて、かつ現在ではなくてはならないものが8割近くを占めています。同庁を廃止して7兆円が浮くというのは大間違いです。また全ての事業を役所が担うのは現実的でないため、政策とマッチし、真面目に事業を行うNPO法人に補助金を拠出することは妥当といえます。もちろん、個別の事業で有効性に疑問を呈するものは時々あり、それは国民の目で精査や効果測定を促していくことは必要かもしれません」(政治アナリスト・永田太郎さん)
特に児童手当などは子沢山の世帯では大きな額になり、これがあるからやっていけるという家庭は多い。
“公金チューチュー”や“◯◯解体”などキャッチーな言葉に惹きつけられ、過激な意見に同調するのは真面目に動く人々まで萎縮させかねないこと。まずは現実を調べてその上でバランスの取れた意見を持つ事が大切だ。