目次
Page 1
ー 悲しみや寂しさを分かち合える場所になってほしい
Page 2
ー 芸能界だけでは物足りなさを感じていたのかも
Page 3
ー 『地面師たち』メンバーで下町飲み会
Page 4
ー 表現していくのは一生のこと

 

 子役からキャリアを重ねる俳優業、スウェーデンの小物デザイン店経営、そして猫の支援活動。3つの活動を大切にしながら両親との関係や、年齢への向き合い方もありのままに話すなど、共感の声が多い川上さん。そんな彼女に、還暦を前にした思いなどを聞きました。

悲しみや寂しさを分かち合える場所になってほしい

 俳優業だけでなく、スウェーデンの小物デザイン店経営、猫の支援活動と、三足のわらじで活躍する川上麻衣子さん

 6月には掃除・防災・ペット用品を開発する株式会社サンコーと、川上さんが代表を務める一般社団法人「ねこと今日」がアンバサダー契約を結び、猫との共生をテーマにした商品開発を進めていくことになった。

これまで5匹の猫を看取り、今は2匹を飼っています。猫も年をとるとトイレの失敗が増えていきます。老齢の猫に向けたトイレ用品の開発ができればいいですね。災害が起こったとき、猫を連れて避難するのが難しいことも気になります。自宅待機の際、人もペットもどちらも困らない防災用品があればいいなあと考えています

 と川上さんは話す。川上さんが「ねこと今日」を設立したのは2018年。「猫と人の心地よい暮らしを提案したい」という思いで、保護猫の譲渡支援や地域猫の保護活動などに協力し、イベント、セミナーも開催してきた。

 さらに'23年には、人と猫が幸せに暮らすWeb上の街「NYANAKA TOWN(にゃなかタウン)」をスタートさせた。

 自身が経営する小物デザイン店がある東京・谷中をもじったネーミングで、サイト内に学校・図書館、猫の健康相談所、サテライトスタジオ、ショッピングモールなどを設けている。

 住猫(じゅうにゃん)登録をすれば誰でも利用できる仕組みだ。亡くなった愛猫の思い出が共有できる、虹の橋のエリアもある。

「旅立った猫もそこで暮らしているというイメージが最初からあったので、虹の橋エリアは絶対に必要でした。登録の際に送られてくる、亡くなった猫の写真や思い出の文章を読むと、いつもほろっときます。

 ここではグリーフケアという、ペットロスになった方をケアする専門家の方も協力してくださっています。思い出を共有し、悲しみや寂しさを分かち合える場所になってほしいですね

 スウェーデンの小物デザイン店「SWEDEN GRACE」は、母と一緒に'16年に始めた。

 川上さんの母・玲子さんは現役のデザイナーで公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会理事長、武蔵野美術大学の客員教授、北欧建築・デザイン協会会長を歴任してきた。ここではスウェーデンの小物と川上さんがデザインしたガラス、猫をモチーフとしたグッズなどを扱っている。