近隣住民らによると、万莉菜さんはひとり暮らしだったとみられる。間取りは1Kで家賃は月3万円程度。和歌山の実家を離れ、仕事をしながら自立生活を送っていたようだ。
姉の部屋の窓ガラスを割って無理やり入った弟
そんな万莉菜さんを事件当日に訪ねたとみられる史靖容疑者の次のような奇異な行動をキャッチした。
「ちょうど犯行時刻のころ、万莉菜さんの部屋から“ガチャン、ガチャン”とガラスの割れる音が2回、聞こえてきたんです。ガッチャーンと大きく響く音ではなかったのが逆に気になりました。
私は編み物をしていた手を止め、外に出て音の正体を確かめようとしました。でも、そのあとは何の音もせず、人の声も聞こえてきませんでした。どうやら弟さんは窓ガラスを割って室内に無理やり押し入ったみたいなんです」(アパート近くに住む80代女性)
実際、部屋の窓ガラスは割られていた。史靖容疑者はここから室内に強行突入した可能性があるとみて警察は調べている。
万莉菜さんが玄関ドアを開けなかったのか、容疑者は最初から窓を破って侵入するつもりだったのか、いずれにせよ緊迫した姉弟関係がうかがえる。
「事件の数日前、ゴミ出しするときにお姉さんとみられる女性が後ろで待っていて会釈したんです。さみしそうな表情でした」(同・女性)
史靖容疑者は上京するにあたり「新幹線に乗ってきた」と話しているという。それでも片道5時間以上はかかる。

捜査を進める千葉県警松戸東署
「足取りや交通費をどう捻出したのかなど裏付け捜査をしなければいけません。なぜ、お姉さんを殺害したのか、犯行動機についても慎重に取り調べを進めています」(前出の捜査関係者)
どれほど関係がこじれようと、過去には姉を慕い、弟としてかわいがられたころがあっただろう。凶行に走る前に思いとどまれなかったか。