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ー 「仕事の幅が広がりました」
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ー 再生回数430万回超の『友近サスペンス劇場』

 2025年8月、お笑い芸人・友近が“座長”を務める舞台『水谷千重子50周年記念公演』が、再び明治座に帰ってくる。この舞台は、友近が「大御所の演歌歌手・水谷千重子」という架空のキャラクターを演じ、デビュー50周年というコンセプトで歌謡ショーを披露する公演だ。

「仕事の幅が広がりました」

 とはいえ、この公演、単なる“パロディ”にとどまらない。第1部はお芝居、第2部は本格的な歌謡ショーの2本立てで構成されており、観客には70代以上の“演歌ファン”や“明治座の常連”も散見されるという。

 ゲストキャストには、的場浩司やYOUをはじめ、友近と気心知れた仲間たちが集う。過去の公演では、五木ひろしや伍代夏子、PUFFY、稲垣潤一なども出演しており、かなり本格的なステージとなっている。

「水谷千重子は“演歌界の重鎮”という設定ですが、本当に明治座や博多座でやらせてもらえて、しかも豪華なゲストと共演できるなんて到底思ってもいませんでした」

 そう語る友近は現在、舞台やアドリブコント、YouTubeドラマをはじめ、テレビの枠に捉われない活動を続けている。以前よりも仕事の幅が広がったというが、その理由について、

「もともと演者だけでなく、企画や営業、それから面白いと思った人を、発掘したい気持ちがあったんです。それである程度、自分に裁量を持たせてもらえるエージェント制に切り替えたことが大きいですね。

 自分が共演したいと思った人と直接やりとりして、自由にアイデアや表現も試せる。いまのテレビは以前に比べて、コンプラが厳しかったり、SNSの影響でなにかと発言を気にしたりと窮屈に感じる瞬間も増えました。それであれば、ある程度自由気ままに活動を続けた方が、性に合ってるなと感じたんです」(友近)

 現在、友近が都内で過ごすのは週2日で、ほぼ毎週全国各地を巡業する日々が続く。また演者に限らず、ロケの企画や制作、一緒に仕事したいと思う人物がいれば、自身の足で本人に会いに行って営業をかける。

「いま『ありんくりん』という沖縄出身の芸人と、番組(『友近×ありんくりんのい~あんべぇ』)をやっているのですが、それも自分からテレビ局の方に企画を持ち込みました。きっかけは去年のロケです。『ありんくりん』のひがりゅうたくんが、『ロバート』の秋山さんや『シソンヌ』のじろう君のような憑依芸の持ち主で、そのときに“絶対に一緒に仕事したい”と思ったんですよね。

 それで後日、プライベートで沖縄まで行って、一緒にYouTubeを撮って。それで動画を沖縄の局の人に見せて、“この人たちと一緒に何か出来ないですか”と打診したんです。新しい人を発掘するのが性に合っているのかもしれないですね」