受け答えにも必要な“経験”

 票を集められない、とはどういうことなのか?

「この前の東京都議選で、自民党は惨敗しましたよね。自民党の中では、米関係で小泉さんの評価が上がったから、自民党の評価も上がるだろうと読んでいた人もいました。でもふたを開けてみると、票を集めることができなかった。極端な話、小泉さんが総理になるなら、自民党を出ていくとまで言う議員もいます」(有馬氏、以下同)

 もともと国民には人気のある小泉氏だが、昨年行われた自民党の総裁選挙では“若きリーダー”を目指すと出馬したが、3位で決選投票に進む前に姿を消した。

小泉進次郎の壁画アート、口元には白い米粒が…(小泉進次郎インスタグラムより)
小泉進次郎の壁画アート、口元には白い米粒が…(小泉進次郎インスタグラムより)
【写真】口元に米粒、風刺の効いた小泉進次郎の“壁画アート”

「あのとき“43歳という年齢で総理ができますか?”と聞いたのですが“カナダのトルドー首相(当時)も43歳で就任しています”と答えました。

 こちらは、自身がどれだけの経験を積んできたから43歳で総理になってこうしたい、といった展望を聞きたかったわけです。質問の意図がわかっていないのか、都合よくはぐらかしているのかがわからない。そういう受け答えにも経験が必要なわけです

 重責を担う大臣職に複数回就いて、党内で“小泉の顔で選挙を戦うしかない”と思わせることが必要だという。

「今回の備蓄米放出で“小泉進次郎、ここにあり”と、国民に思い出させはしました。これからは、農家の人たちが米作りを安心して続けていける土壌をつくれるか、にかかっています。参議院選挙後、おそらく内閣改造が行われ、小泉さんが農水相を続投するはずです。農協改革をどこまでできるのか、その後どんな要職について経験を積むのかによって、総理のイスが近づくかもしれません


取材・文/蒔田稔