困窮者のための制度
さらに那須田によれば困窮者のための制度はいろいろあるという。「相談をするならまず支援団体。女性なら行政の女性センターも良いですね。生活保護なら地域の福祉事務所の生活相談窓口。介護なら地域包括支援センターで介護認定を受けるところから」。だけど多くの人はプライドが高くて「助けて」と言えないという。筆者はプライドなどかけらもないので、自力でどうにも出来なくなったら、速やかに行政に相談しようと思う。そういう選択肢があると知れただけでも、ちょっとだけ安心できた。那須田は相当イヤな奴だが、こうした情報をくれることにだけは感謝したい。
筆者も50代半ばになり、きっと残りの年月もあっという間だろうなという気がし始めている(人生の先輩方には笑われそうだが)。人生の終盤は最低限のものだけに囲まれてシンプルに暮らすのが夢で、今からちょこちょこと不用品を処分したりしている。その方が、いざ孤独死した時も、周囲にかける面倒は少なくて済むだろう。
だが一方で、今からそこまで考えなくても…とも思うのだ。子供の頃は自分がいつか必ず死ぬなんて考えもしなかったが、ある年齢でそのことを自覚してから、急に世界が色あせた気がしたものだ。それと同じで、自分の死に方など考えるのは、できるだけ先延ばしに出来た方が幸せではないか。
もちろん人の寿命はそれぞれで、一概に早い遅いは言えないし、親の介護の状況もみな違う。鳴海が言うように「頭が動くうちに考えておくべき」というのも一理あるが、それでも平均的に見て、50代半ばの私でもまだ間に合いそうなので、少なくともアラフォーの鳴海には、そのことばかりどっぷり考えなくていいよと言ってあげたい。物事には考え時というものがある。それよりも今は健康に注意して、楽しい気持ちになれることをして過ごした方がずっといい。確かに那須田が言うように情報は大事だから、1年に1日くらいはそのことを考える日にして、あとはなるべく忘れて生きるくらいがちょうどいいのではないか。
ドラマは3話で親の離婚危機が発生して、事態が複雑化してきている。だが、こと自分の終活に関しては、私はそんなことを考えているのだが、視聴者のみなさんはどうだろう?
全6話を観終えた時に、そんなのんきなことを言っていられなくなるのかどうか、ちょっと怖くもあるけれど…。