アニメ映画のヒット作

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』キービジュアル(「鬼滅の刃公式」Xより)
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』キービジュアル(「鬼滅の刃公式」Xより)
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 ここ最近は、アニメ映画のヒット作が多かった。

「例えば『鬼滅の刃』を観に行ったら、基本的にはアニメの予告が流れる。そうすると、次もアニメ映画を観に行くという流れが起こっていました。近年の実写邦画には、今まであんまり大ヒット作が多くなかったので、そういうサイクルが生まれにくかったように思います。そのため、失われつつあった“予告システム”みたいなものが『国宝』によって復活したのかもしれません」

 こうして連日、映画館がにぎわうようになったが、実写邦画が粒ぞろいなのは「“今年が特別”という印象はあまりない」という。では、2025年の実写邦画には、どんな傾向があったのか。

「『国宝』に出演している吉沢さんと横浜さんは、これまで良いか悪いかは別として、アイドル俳優のような見方をされがちでした。その2人が“実力派“として『国宝』という大きな作品の正面に立っています。

 このように今までのキャリアからステップアップするようなことが、今年はすごく活発だったように思います。山田さんの『爆弾』や、北村匠海さん主演の『愚か者の身分』もそう。『TOKYOタクシー』の木村さんも、結局“強い”と思わされました。これまで世間に持たれていたイメージを覆して、俳優としての矜持が見えてくる作品がたくさんあったのが2025年だと思います」

 2026年も“国宝級”の映画がたくさん生まれることを期待したい。

<識者プロフィール>
1988年、京都府生まれ。映画感想TikTokクリエイター。映像作家、専門学校講師。京都芸術大学映画学科卒業後、東映京都撮影所入社。時代劇ドラマ『水戸黄門』助監督として業界入り。2014年に拠点を東京へ移し、映画『HiGH&LOW』シリーズ等の助監督を経て18年独立。19年夏よりTikTokで活動開始。映画レビュージャンルを開拓し人気を集める。現在は監督業を始め、ジョニー・デップらハリウッド俳優へのインタビューも行う。TikTok TOHO Film Festivalで三池崇史監督らと審査員を務める。
著書に『シネマライフハック 人生の悩みに50の映画で答えてみた』。