12月9日に62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま。毎年恒例の「お誕生日に際しての文書」が公開されると、その内容が大きな話題を読んだ。
「例年、ご自身の体調や国内外の出来事を振り返られる雅子さまですが、今年は異例ともいえる特定の人物への言及がありました。うれしいニュースとして、坂口志文大阪大学特任教授(74)がノーベル生理学・医学賞を、北川進京都大学特別教授(74)がノーベル化学賞を受賞されたこと、また大谷翔平選手(31)が55本塁打を打つとともに投手としても本格的に復帰し、3年連続通算4度目のMVPに輝いたこと。そして大相撲からは九州場所で初優勝し、大関に昇進したウクライナ出身の安青錦関(21)に触れたのです」(相撲ライター)
安青錦に触れた雅子さまお誕生日コメント
雅子さまは文書の中で、激動の国際情勢に触れられたあと「九州場所で安青錦関が初優勝し、祖国ウクライナの戦乱を逃れて日本にやってきた高校生が、一心に稽古を重ね、日本の伝統である大相撲で大関まで昇進したことに感銘を受けました」とコメントし、相撲ファンや国民の間で感動が広まっている。
安青錦は九州場所で横綱・豊昇龍との優勝決定戦を制し、ウクライナ出身力士として史上初の幕内優勝を果たした各界を筆頭する人気力士。初土俵からわずか14場所という、年6場所制導入以降では2番目の速さ(付け出しを除く)での優勝記録も樹立。大関昇進の口上では淀みのない日本語で「大関の名に恥じぬよう、またさらに上を目指して精進いたします」と述べたシーンが日本人の心を打った。
この雅子さまによる温かいメッセージに対し、安青錦が所属する安治川部屋も即座に反応。翌10日、部屋公式LINEが更新され、「素晴らしい日に寄せられましたお気持ちの中に、安治川部屋の安青錦の活躍に触れて頂きました事、望外又この上ない慶で御座います」と恐縮し「本日はお誕生日お目出度う御座います」と雅子さまを祝福。
「部屋によるこの“お返し”のコメントには迅速な対応に称賛の声が寄せられると同時に、雅子さまの愛を感じた、感動した、などSNSでは“胸熱”な話題として持ちきりとなりました。それは安青錦関のまっすぐな人柄や、人間性が影響していると思います」
というのは長年相撲を取材してきた前出の相撲ライター。
「安青錦関はとても真面目な性格で、スマホで相撲の動画を見て研究するなど“強くなるため”に一生懸命な力士です。日本語も非常にうまくスラスラと話します。たまにジョークは出るものの、口数は少ない方ではしゃぐタイプではありません。来日してまだ3年超ですが、湯豆腐ちゃんこが好きなかわいらしい青年です」(同前)
そんな安青錦はいま冬の地方巡業に励んでいる。今回の雅子さまからのお言葉に対し、
「びっくりしました。全然顔じゃないのに(そのように言ってもらえて)うれしかった。これからも頑張りたい」
と「顔じゃない」=「分不相応」と、相撲界の“隠語”を使ってコメント。戸惑いながらも謙虚な姿は、またもファンの好感度を上げた。
母国ウクライナの情勢を案じながら土俵に上がる安青錦にとって、雅子さまからの温かい励ましは何物にも代えがたい力になったことは間違いない。来年1月11日から始まる大相撲初場所。新大関として土俵に立つ安青錦に注目だ。
















