目次
Page 1
ー 大井川鐡道、SLを『パーシー号』に
Page 2
ー 『パーシー号』の収益化について

 1月8日、静岡県島田市に本社を置く、大井川鐵道が黒いSLC10形を『きかんしゃパーシー号』として変更し、デビューさせることを発表。

大井川鐡道、SLを『パーシー号』に

「大井川鐵道では、毎年、『きかんしゃトーマス号』が期間限定でそのレールを走っており、この期間はお子さんたちを連れた多くのファミリーが大井川鐵道を訪れます。今回、SLの外装を緑色に塗装、装飾も変更し、新たに『パーシー号』とするとのこと。

 国内で初めてSLの復活運行を始めたのが大井川鐵道で、SLは同社の象徴ともいえる存在です。その文化的価値も相まって、ネット上では、《C10潰されるのがショック》
《大事な遺産のC10はそのまま残して欲しかった》など、反対意見も上がっている状況です」(地方紙記者、以下同)

 今回の改装について、大井川鐵道の代表取締役社長・鳥塚亮氏が記事を公開。社長記事によると、『パーシー号』の改装は収益化を狙ってのことだという。

「今年、ちょうどSLの復活から50年が経過しましたが、復活当初のように“お客さまにいらしていただける時代でもなくなってきました”と語っていました。一方で、2014年から走り始めた『トーマス』は着々と集客ができているとのこと。さらに、蒸気機関車の維持に莫大な費用がかかる中、補助は一切出ていないとのことです。

 もちろん、文化的な価値の側面や従業員、SLに思いを寄せる人が多くいることは重々理解できますが、収益化が見込めないままの継続は得策とは言えません。苦渋の選択だったとみられますが、継続のためには致し方ない判断ともいえそうです」

 実際、大井川鐵道には、どのような意見が届いているのだろうか。問い合わせてみると、《当社を取り巻く環境と本施策の背景について》とし、前提についての説明があった。

「当社は現在、災害により一部区間が不通となっている大井川本線の全線復旧を最重要課題として取り組んでおります。その実現には、限られた経営資源(車両・人員・資金)を効果的かつ効率的に活用し、持続可能な鉄道事業運営を行うことが不可欠です。

 今回の施策は、話題性のみを目的としたものではなく、全線復旧と将来にわたるSL運行の継続を見据えた、戦略的な事業判断の一環でございます」(大井川鐵道担当者、以下同)

 今回の発表を受けての問い合わせ内容について、次のように説明する。

「発表後、SLファンの皆さまから“元の姿が見られなくなるのは寂しい”といった、長年のご愛着ゆえのお声を頂戴していることは承知しております。一方で、当社に直接寄せられるお問い合わせの多くは、運行スケジュールやチケット予約に関する具体的なご質問であり、新しいキャラクターへの期待や、お子さま連れのお客さまからの“楽しみにしている”といった前向きなお声が中心となっております。

 また、従来よりご支援いただいているファンの方々からは、“どのような形であれ、機関車が元気に走ってくれることが一番”や“会社の存続と全線復旧のためなら応援したい”といった温かいお言葉も頂戴しております」

 ネット上では批判的な意見も見られるが、直接会社に届く意見とは温度差があるようだ。