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ー 朝日新聞の関係者取材で浮き彫りになった真実

 

 3月4日に読売新聞オンラインが報じた『国立博物館や美術館に収入目標、未達成なら閉館含め再編検討…30年度までに文化庁』という記事が波紋を呼んでいる。

朝日新聞の関係者取材で浮き彫りになった真実

 来年度から5年間、収支均衡を目指した数値目標を設定。未達成の場合、閉館も含めた再編を検討するという内容に、SNSでは悲しみの声が多く上がる結果に。

《国立の博物館や美術館が収入増を目指さなきゃいけないの?》
《文化庁って、むしろこういう声から文化を守る側だと思っていたけどな》
《国立美術館で推しの子展とか見たくないでしょ》

 しかし3月5日には、この報道自体がミスリードだと指摘する投稿や報道が。『ラブひな』や『魔法先生ネギま!』で知られる漫画家で、参議院議員の赤松健氏は文化庁に確認したと前置きして、Xにこう投稿。

《タイトルの「閉館含め」は煽りすぎ 来年度から5年間の次期中期目標で数値目標を定めたのは事実ですが、「未達成の場合、閉館も含めた再編を検討する」の「閉館も含めた」の部分は、文化庁側は言っておらず、中期計画表にも全く書いてありません。

 明らかに煽りすぎです。 もともと「閉館」は想定しておらず、「再編」とは各地の博物館・美術館が持つ役割分担を変更していくことを意味しています。(例えば京都近代美術館がサポートする範囲を変えるなど)》

 同日配信されたネットメディアIT media NEWS『「“閉館”どこにも書いてない」──国立の博物館や美術館に収益目標設定の真意、文化庁に聞いた』という記事内で、文化庁担当者もこう否定している。

《展示事業の自己収入の割合が(次の中期の4年目で)40%を下回ったという点だけをもって、すぐ再編ではありません。(中略)ただ、「閉館」という言葉は中期目標のどこにも書いてありませんし、口頭で伝えたこともないです。新聞の取材は受けてないので(出どころは)分かりません》

 赤松氏は今回の中期計画表はむしろプラスに働くと、Xの投稿で続けている。

《むしろ令和8年度の運営費交付金額は、これまでと比較して物価高騰分などの上乗せが見込まれています。さらに、国際観光旅客税を財源に、国立美術館などにインバウンド向け補助金も創設。国立科学博物館の場合、何と+10億! ここは素直に、財源獲得に動いた文化庁のお手柄と言えそうです》

 しかし、5日20時に朝日新聞のウェブ版で配信された『訪日客に「二重価格」国立博物館など導入へ 財務省、閉館も含め圧力』という記事でも、《財務省は、「再編」には閉館も含まれるとしている》という一文が。

 同記事では厳しい要求を突きつける財務省と文化庁の間で攻防が繰り広げられていることが、関係者への取材で浮き彫りになったことが綴られている。

 文化を守るためにも、《閉館も》という記事が煽りであってほしいが……。