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ー 不倫報道のその後
姫井由美子さん 撮影/齋藤周造

 昔話の桃太郎、近年ならば藤井風に山本由伸など、国民的英雄を輩出している岡山県。桃太郎が鬼退治という偉業を成し遂げたこの地で、「姫の虎退治」も行われたことを覚えているだろうか。

不倫報道のその後

 2007年、民主党の新人議員だった姫井さんが、対する自民党のベテラン議員であった故・片山虎之助さんに圧勝したのである。虎のぬいぐるみを日本刀で斬りつける姫井さんのパフォーマンスに、日本中が沸いた。彼女の政界進出のきっかけは、結婚だったという。

「夫とは見合い結婚なんです。自己紹介書にあった『姫井』という名字を『素敵!』と思ったのも決め手の一つでした(笑)。

 家事をするようになると、ごみの分別に目が行くようになりました。それをきっかけにリサイクル推進運動をしていたら、岡山市が資源ごみの分別回収を始めたんです。それまで政治家が決めたことを守る立場でしたが、変えたいことを訴え続けたら叶うんだと知ったころに、県会議員の話をいただきました。その後民主党から参議院議員になることができました。リサイクルが私の原点なんです」(姫井さん、以下同)

 アメリカより早く、日本に女性総理が誕生したことについて問うと、

「非常にうれしいことですよ。皇室典範などの問題もありますが、高市さんにはぜひ新しい視点で国民の声を聞いて、画期的なことをしてほしいですね。私も、議員時代からDV問題や子育て支援など女性に寄り添う課題に取り組んできました」

 不倫報道などで世間を騒がせたこともあった。

「いろいろありましたが、支持者も、家族もついてきてくれた。現在は岡山で司法・行政書士をしながら、引き続きコンビニ・フランチャイズ問題、過労死、能登支援、空き家問題などにも取り組んでいます。2015年には、フランチャイズ問題を軸とした初の小説『コンビニ夢物語』(KADOKAWA)を出版しました。翌年映画化もされて、今でも全国各地で上映会をしているんですよ。

 また、『岡山県自然栽培実行委員会』という、植物と人に優しい『農と食』を考えるNPO法人の活動に参加していますが、ここの代表・高橋啓一さんは、『姫の虎退治』の際は、一昨年亡くなった片山先生を応援していた方なんです。ご縁を感じますね」

 なんとも象徴的なエピソードである。彼女は定年退職を迎えた夫、30代となった長男・長女と4人で暮らしながら、ボクシングや24時間100キロウォークなどを楽しみつつ、全国を行き来して「人の役に立つ」信念を徹底している。

「ごみ出しから買い物、洗濯までやってくれる夫と、料理をしてくれる娘のおかげで助かるわ。私は動いているほうが性に合っている。今がいちばん元気!」と、微笑む。めでたし、めでたし。

1959年、岡山県出身。岡山大学法学部卒業、同大学院法学研究科修了。父の後を継いで司法書士・行政書士事務所を開業。1999年民主党公認候補として岡山県議会議員に立候補、初当選。2007年、「姫の虎退治」をキャッチフレーズに、自民党の片山虎之助氏を破り参議院議員初当選。2021年に落選以降は、司法書士・行政書士として、また倫理法人会など各団体でも活動を続ける。

取材・文/三尋木志保