浮かび上がる犯人像

 元大阪府警刑事で現在は犯罪ジャーナリストとして活動する中島正純氏は、現場の状況から“内部事情に詳しい人物の犯行”と分析する。

「梨は枝の軸を残して非常にきれいにもぎ取られており、明らかに素人ではありません。5000個もの梨を一人で盗み出すことも不可能です。果物は傷つきやすく、商品価値を落とさず運ぶには扱い方を熟知した複数人が必要になります」

2年間で合計1万2500個にも及ぶ高級梨が、この佐々木浩喜さんの梨農園から奪われた
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 そのうえで中島氏は、犯人像として3つの可能性を挙げる。

「1つ目は農園の内部事情を詳しく知る人物です。農園は細い道の奥にあり外部からわかりづらいため、この場所に梨農園があることがわかっている人物、さらに『幸水』だけを狙っていることから、幸水が植えられている場所を把握している人物の可能性があります。

 2つ目は同業者です。京都では九条ネギを盗み、自社の商品として販売していた農家が逮捕された前例があります。

 そして3つ目は外国人窃盗グループです。過去には盗んだ農産物を海外へ密輸した事件もあり、今回も転売や海外流出を目的としている可能性があります」

 事件を担当する捜査関係者も、現場や流通ルートを中心に捜査を進めている。

「現場の状況や防犯カメラ、JAなどの流通ルート、フリマアプリを含め、あらゆる可能性を視野に捜査しています。5000個ともなれば相当の人数が必要になりますし、夜間に計画的に実行された可能性が高いとみています」