パ・リーグ球団を取材するスポーツライターは、工藤監督時代も含めた「ソフトバンクの強さ」を次のように分析する。
「ソフトバンクの戦略として根底にあるのが“育成”で、“補強”はあくまでも戦力の足りない部分を補うだけで、有力選手であれば誰でもとるわけではありません。そして“育成”には投資を惜しまないのがソフトバンク。
たとえば中日は1軍、2軍の支配下70人と育成選手を合わせて80人ほどの選手層ですが、ソフトバンクは4軍選手まで含めて120人以上。当然、大所帯となれば人件費や施設、あらゆる面でお金がかかるわけで、そこは資金力や球団運営力がものをいいます」
中日との選手数の差は40人以上。2軍以下の選手たちは1軍に昇格するために必死に練習し、また億を稼ぐレギュラー選手も気を抜けない。そんなチーム内での競争力を作り出せるのも「ソフトバンクの強さ」だとか。
工藤監督は「お金がかかる」理由
また工藤氏も、他球団の監督と比較すると「お金がかかる」ようで。
「監督としての年俸がべらぼうに高いわけではなく、チームへの投資を必要とする監督なのです。たとえばソフトバンク監督就任時、王貞治会長に出した条件というのが“選手データをとること”。今ではセ・パの球団が取り入れる“トラックマン”といった計測機器のほか、選手の能力データを数値化、分析して指導に生かすために最新機器を取り入れたのも工藤さん。
またシーズンオフには頻繁に渡米し、メジャーのコーチング技術や選出システムなども積極的に学んでいます。現在はデータ野球に加えて流行りのAIにも熱心で、おそらく監督就任の“新たな条件”として新技術の採用も提示した可能性はあります。果たして、中日球団が要望を聞き入れて、”補強費用”を捻出することができるか(苦笑)」
負けが込んでも球場に足を運び続けてくれたファンのためにも、今こそ球団はチームにお金を還元する時だろう。


















