「“あとでやるつもり”とか“勉強したつもり”とか、最近は、大人も子どもも“つもり”が口グセになっていることに気づいた。日本のベースになる考えが“~したつもり”ではまずいね、と息子と話をして。そこで生まれたのが『つもりやもり』なんだ」
そう語るのは風水研究家、Dr.コパこと小林祥晃さん。実は『つもりやもり』の誕生には、コパさんとその長男・照弘さんが関わっているのだ。
「“つもり”を取ればまともになると考えて、“つもり”を食べてくれる動物や昆虫のキャラクターを作ろうと。それには家を守る『やもり』がピッタリだと思った。ちょうど僕らは、絵本を作って全国の子どもに読み聞かせをしたいという目標があってね。それで、このアイデアをもとに息子が本の構想を練ったんだ」
『つもりやもり』は、物事をしたつもりになって大事なことを忘れてしまう原因となる“黒い蛾”を食べてくれるという生き物。絵本の制作と同時に、その性質が歌でわかる『つもりヤモリ』という曲も生まれた。歌い手はアニメ『ワンピース』の主人公・ルフィ役も務める、声優の田中真弓さん。
「『みんなのうた』の影響はすごいね! 日本の津々浦々まで広がっていて驚いたよ」
曲に合わせて踊れる振り付きのダンス動画も作った。
「今年は“歌って踊る”が開運アクションなんだ。それがあったものだから、『つもりやも7り』と一緒に子どもたちが踊れたら、よりいいなと」
キャンディーズの『年下の男の子』を筆頭に、数々のダンスを生み出してきた振付師の三浦亨さんに依頼。現在、その動画はYouTubeでの再生回数が2万回を超えている。こんな方面からも反応が。
「5月には、羽田空港の旅客ターミナルビル開業60周年を記念したコラボレーション企画を行ったんだ。空港という場所では事故を防ぐために“伝えたつもり”とか“~したつもり”といった思い込みをなくすのが以前からのキーワードだったみたい。そこで『つもりやもり』に声がかかってね。『つもりやもりの大冒険』という曲に合わせて、全空港職員が踊ったんだよ」
全職員での取り組みは非常にまれなことだそう。安全運航という共通の願いを『つもりやもり』が結んだのだ。