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 “ロケット編”が完結した第5話が平均視聴率20%を突破、“ガウディ計画編”も始まって、ますます絶好調の『下町ロケット』。

 下町の中小企業が大企業に立ち向かう、というストーリーが多くの人の心をつかんでいる。そんな同作のウラ話をプロデューサー・伊與田英徳氏に教えてもらった。

「ボウリングのシーンは、原作にはないオリジナルです。主人公・佃航平の本音がポロッと見られるような、息抜きのシーンもあっていいかなと。阿部寛さんも、そこそこ好きなんだと思いますよ。うまいですしね」(伊與田英徳氏)

 原作はベストセラー作家・池井戸潤氏の同名小説だが、ドラマならではの工夫も高視聴率の理由だ。

「なぜボウリングかというと、理系出身の友達がボウリングをやっているときにいろいろ言うんです。曲がる曲がらないとか、ワックスのかけ方がどうだとか。それが面白いということで、参考になりました」(伊與田氏)

 そんな伊與田氏も理系出身で「技術者が頑張るみたいな話には感情が乗った」という。そこから、かつて宇宙科学開発機構の研究員だった町工場の社長が、ロケットの部品を作る夢を追う、このドラマが生まれたわけだ。

「原作に描かれているサラリーマンの思い、働く日本人の思いにも共感しました。ちょっと前までは男臭いものは敬遠されていたきらいがあって、女性が出ないとダメなんだとよく言われたりもしましたけど」

 その流れを大きく変えたのが、2年前にこのドラマと同じチームが制作して社会現象にまでなった『半沢直樹』(TBS系)。脇役やゲストで登場する男性俳優陣の多彩さは、この作品にも引き継がれている。第1話には、先日亡くなった阿藤快さんが弁護士役でゲスト出演していた。

 脇役では、銀行の融資課長を演じる落語家の春風亭昇太も面白い人選といえそう。

「柔らかいんだけども、ちょっと嫌みにできる人を考えたときに、昇太さんの顔がふっと思い浮かんだんです」(伊與田氏)