大谷吉継との友情も見どころのひとつ

 これまでドラマなどで描かれてきた三成といえば、豊臣の名前をカサに着て権力を振るう悪役が多かったが、

「三谷さんから“今回はそういうふうに描きません”と聞いていまして。本当に実直に、豊臣家を守ることだけを考えて行動しているんです。殿下のため、というよりも豊臣のため、ですね。その思いが空回りして、三成は周囲から孤立してしまったのかなと。

 家康襲撃を企てたときも、思うように仲間が集まらないじゃないですか。あそこまで人望がないとは思いませんでしたが(笑)、あの場面は誰も間違ってないんですよ。相手側の気持ちになれば、自己保身に走るのは当然だと思うし。

関ヶ原の合戦を前に、三成率いる西軍の陣で肩を並べた三成と大谷吉継(NHK提供)
関ヶ原の合戦を前に、三成率いる西軍の陣で肩を並べた三成と大谷吉継(NHK提供)
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 でも三成からすれば卑怯なことや悪いことをしたつもりはないのになぜ? と歯がゆくなるわけです。自分で演じながら本当にかわいそうになってきて(笑)」

 野望、欲望が渦巻く関ヶ原。そこで描かれる片岡愛之助演じる大谷吉継(刑部)との友情も見どころのひとつだという。

「誰も味方についてくれない中、刑部があるひと言を三成に言って加勢してくれるんです。これで百人力、みたいな感じを受けたシーンで、誰が味方につくより心強いのが刑部だと気づかされました。そこは楽しみにしていただきたいと思います」