法則を思い出せば、覚えなくてもOKなものに

 まずはベースになるパスワード、ある程度複雑で、ちゃんと覚えられるパスワードを決めて下さい。そしたら、あとは簡単。

 ベースになるパスワード + ●●

 ●●にあたる部分に、自分で決めたルール・法則に基づいて文字を追加するんです。たとえば、LINEだったら「LI」とか、フェイスブックだったら「FE」とか(これは単純な例なので、実際はもっと複雑なもので!)。

 とにかく法則を思い出せば、一つずつ覚えなくてもOK、というルールを作るんです。するとすべてのパスワードが「ちょっとずつ違うもの」に変化します。

 そんなのすぐバレちゃうんじゃね?って思いますよね。でも乗っ取るような連中って、たいていパソコンなどを自動で走らせ、ひたすらログインを試しているのです。だから、一発目にログイン出来なかったものは、さっさと諦めてくれる可能性が高いんですよ。

 もちろんこれが完全な方法ではありませんが、共通のパスワードで使い続けたり、覚えきれないパスワードを紙にメモするよりは、はるかにマシでしょう。また2段階認証の仕組みを持っているサービスなら、それを有効にするだけでセキュリティがかなり向上します。必ず有効化しておきましょう。

 最後に大事なのでもう一度、お知らせです。これらの作業を乗っ取られた後にやるのは、物凄く大変でした。時間も掛かるうえに疲弊します。早めに対策を!!


《著者プロフィール》小木曽 健(おぎそ けん)◎グリー 安心安全チームマネジャー。グリー株式会社・安心安全チームマネジャー。複数のITベンチャーを経たのち、2010年グリー入社。SNS「GREE」のネットパトロール・カスタマーサポート部門の責任者を経て、2012年8月より現職。インターネット啓発に関する全国での講演、オリジナル教材の作成、NPOなどを対象とした講師育成を担当。講演を基に作成した無料教材「事例に学ぶ情報モラル」は、消費者教育教材資料表彰の優秀賞および特別賞を受賞