直虎を盛り立てる注目のバイプレーヤーたち

 ほかにも井伊家の菩提寺の住職で、おとわが出家した際には師として、城主となったときには知恵袋となる南渓和尚には小林薫。同寺の僧で、おとわの兄弟子となる傑山を市原隼人徳川家康を阿部サダヲ。元宝塚で舞台を中心に活動し、ドラマ初出演ながら直虎の大叔母・佐名を演じる花總まりなど、幅広くキャスティングされている。

 そんなキャストの中でも、彼女の生涯の転換期で影響を与えるキーパーソンとして、岡本CPは若い4人の男性をあげる。

「1人目はもちろん、幼いころに許嫁となり、彼女が出家するきっかけにもなった、三浦春馬さんが演じる亀之丞、のちの井伊直親。2人目は、高橋一生さん演じる直虎・直親とも幼なじみの鶴丸、のちの小野政次です

 3人目は、直虎とは育った境遇がまったく違う、柳楽優弥さん演じる盗賊団の頭・龍雲丸。彼は何も背負うもののない自由な人間で、フィクションの人物。最後の4人目が、のちに徳川の重臣となり井伊家再興を成し遂げる、菅田将暉さん演じる井伊直政です」

小野政次(高橋一生)と井伊直親(三浦春馬) (c)NHK

 生涯結婚することのなかった直虎だが、彼女の周りにはこうした魅力的な男性たちが。

「色恋話がメインではないですけど(笑)、確かに男女的なものも少しはあります。ただ主軸としては、人間同士が触れ合っていくときに、色恋や情といったものが絡んでくるように作りたいですね」

 直虎自身は太刀や弓をとることもなく、世の中を統一して華々しく天下人になることもない。ただひたむき、自分の国を守ることに奔走する。

「直虎が持っている、絶対的な正しさというか“ビュア”な部分は、井伊家を守りたい、跡継ぎを、領民を守りたいというところ。そこがぶれないのは、彼女が持って生まれた城主としての器なんだと思います」(森下氏)

 岡本CPも、彼女の生き方が、今を生きる人にとってのヒントになるものがあるのでは、と話す。

「わかりやすい何かを残した人ではありません。でも志をつなげることで、自分がなしえなかったことを次世代がなしえてくれます」

 許嫁だった直親が切望し、直虎と約束した井伊家の安泰。その志を引き継いだ直虎は、城主として国を守りながら彼の忘れ形見・直政へと思いをつなげる──。

「そういう意味で、本当の強さとは何か、大切なものを守り抜くことは何か? という問いかけは、今の日本が置かれた立場にも響く部分があるのではないでしょうか。次世代に花を咲かせるため、そんなテーマを投げかけられればと思っています」