「柴咲さんの尼姿は想像どおりの美しい姿だったのですが、城主姿には度肝を抜かされました(笑)。ポスターのビジュアルにもなっていますけど、なんとも不思議な雰囲気。物語の中で彼女を見た人のリアクションを、けっこう書き換えましたね」

 ドラマや映画でヒット作を手がけ、人物描写に定評のある脚本家・森下佳子氏。今回、脚本を手掛けるNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』はタイトルもインパクトがあるが、決め方にも紆余曲折があったという。

脚本を手掛ける森下佳子氏

「まず、人の名前が入っているほうがいいと。というのは、有名な方ではないので、何をやった人なのかわかるように“城主 直虎”と一緒に並べました。初め“おんな”は“女”だったんです。でも、読み方で“じょじょうしゅ”と読まれてしまうかもしれないと(笑)。そこでひらがなでいこうとなりました」

 大河ドラマ初挑戦は森下氏も柴咲と同じ。1年間どんな物語を紡いでいくのか?

「今、大河ドラマが“歴史を正しく伝えなくては”と押しつけられた感じがして、すごく息をしていないように見える部分がありまして。もっとエンターテイメント性の高い、ゴージャスなドラマを作るために選んだ歴史という舞台に縛られているように思えるんです。

 初心にかえってではないですが、大河がもう少し息ができるというか、小難しいことを考えずにドラマとして、楽しめるものにしたいと思っています」

 直虎を通して、視聴者に伝えたいことを、こう続ける。

「直虎はAかBかと選択を迫られたとき、全く別のCとかDを考えられる人。答えはひとつじゃないんだ、ということをお伝えできればうれしいです」

<プロフィール>
森下佳子◎1971年大阪生まれ。連続テレビ小説『ごちそうさん』で第32回向田邦子賞/第22回橋田賞受賞