【5】“なりきり”作用を利用する

「最悪!」のかわりに「逆に、この状況が楽しくなってきた!」を口グセにしてみて。脳科学者・池谷裕二先生によれば、脳をやる気にさせるには“なりきる”方法も有効だとか。ママ友との雑談がつまらないなら、「つまらないのに輪に加わっている私ってスゲー! 逆に楽しくなってきた」くらいに考えることだという。また、自分の中の切り替えフレーズを作ることも効果的。探し物が見つからないときは、「〇〇はどこから出てくるかしら~♪」なんて即興ソングを歌ってみるといいですよ!

【6】減点法で人や物事を判断しない

 脳はポジティブよりもネガティブな情報に価値を見いだしやすい傾向がある。エラスムス・ロッテルダム大学の研究によれば、減点法で学習をさせた被験者と、減点も加点もない報酬ゼロの状況で学習をさせた被験者を比べたところ、後者のほうが成績がよかったという結果に。つまり、ネガティブな要素がチラつくと状況は悪いほうに転がっていくというわけ。人間関係においても、悪い面を考えるとますます関係は悪化するだけなので、減点法で人や物事を判断することは控えましょう!

【7】元カレのSNSをチェックする人は人間として成長できない!?

 オハイオ州立大学とハワイ大学が明らかにした研究は、「昔の恋人のSNSをチェックする人は人間として成長できない」という聞き捨てならない内容! 元恋人との交際時の親密度、失恋の痛手の度合い、元恋人の情報を見る頻度などをもとに大学生431人に調査したところ、元恋人のSNSをチェックしている人ほど、“新しい趣味を見つけられない”“気持ちを切り替えられない”傾向にあることが判明。SNSは便利だけど、元交際相手の現在まで知ってしまうのはデメリットにしかならないんです! 別れたら即座にフォローをはずして、過去に引きずられないようにしましょう!

【8】勝負のときは直前に不安を書き出す

 シカゴ大学の心理学者の研究では、試験直前の10分前に試験について不安に思うことを書き出したケースと、そうでないケースを比べたところ、書き出したほうが成績アップにつながったという。不安要素を書き出すことで、脳が自動的に記録する目の前に起こった短期的記憶を吐き出すことができ、より集中力が上がるんだそう。勝負事の直前には、参考書を見直すよりも、不安要素を吐き出したほうが脳がクリアになることを覚えておくように。

【9】周りの人が喜んでくれそうなことを1週間に5回行う

「一日一善」にも科学的根拠があるんです! 人は自分よりも他人のために何かをすることのほうが喜びを感じられる、とはヒューストン大学の研究結果。ゴミを拾う、家族を笑わす、など具体的かつ実現可能な目標を掲げることが望ましく、ボランティアなどに従事している人ほど、うつになる確率が低いことも実証されているんだとか。他人が自分に何かをしてくれると期待するのではなく、1日1回、もしくは1週間に5回以上、善いことを行う! それこそハッピーな生活を送るポイントです♪

【10】“つらいときほど空を見上げる”は科学的にもよいことだった!

つらいときほど空を見上げてみよう
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 なにげなく空を見上げるとホッとしますよね? 大阪市立大学の研究によれば、空の色が神経を落ち着かせ、見上げることで姿勢が正され気分が整うという科学的なエビデンスのあるリラックス法であることが判明。スカイブルーに代表される青い色は、色彩学で「神経を落ち着かせる色」として立証ずみ。空や海を見ていると心が落ち着くのは、なんとなくではないんですね。そして! 姿勢を正す、つまり胸を張った状態は丸まった姿勢に比べて、自意識として自信を持つことにつながると言われているのだとか。

<教えてくれたひと>
堀田秀吾先生
ほった・しゅうご 1968年、熊本県生まれ。明治大学教授、法言語学者。言語学の分野に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく多角的な研究を展開。「学び」×「エンタメ」をライフワークとし、法律事務所や芸能事務所の顧問なども務めるなど多岐にわたって活躍中。著書に『人間関係の99%はことばで変わる!』など。

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