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ー 千葉市動物公園の立ち上がるレッサーパンダ「風太くん」
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ー 立ち姿は健在?

 上野動物園の双子パンダ、シャオシャオとレイレイが1歳になりました! 動物たちの話題はいつでもほほえましいもの。そんな話題になった動物の“今”を徹底取材。「立った!」で一躍有名になった千葉市動物公園・風太くんのその後を追跡レポート!

千葉市動物公園の立ち上がるレッサーパンダ「風太くん」

「立った!」

 '05年、キレイに背筋を伸ばして後ろ足2本で直立する姿が一世を風靡した、千葉市動物公園のレッサーパンダの風太くん。今なお、“くん”と呼んでしまいたくなるが、実は御年18歳。平均寿命が約12年といわれるレッサーパンダにあってはご高齢。まさしく愛され動物界の大御所である。

「レッサーパンダにとって、立つという行為は珍しいことではありません」

 こう語るのは、同園で飼育を担当する水上恭男さん。ただし、「背筋を伸ばして、キレイに立つのは珍しい」と付け加える。なぜ、あんなにもピンと立ったのか?

「理由は定かではないのですが、獣舎が塀に囲まれているため、外が見えづらい。周りを観察するために、よく見えるよう背筋を伸ばして立ち上がったのではないかといわれています」(水上さん)

 動物園特有の環境が、あの美しい“立ち姿”を演出していたのかもしれない。一方で、こんな苦労もあったそう。

「風太くんは、ほかのレッサーパンダと違って、人に触られるのが好きではない。ですから、触らないようにしつつ、来園者の『立ち姿が見たい』というリクエストに応えないといけません。そこで、昼の時間に『おやつタイム』を設けて、おやつを少し高いところに置くようにしました」(水上さん)

 人気者となった風太くんは、缶コーヒーのCMに登場するなど大活躍。その効果もあって、ブーム前と比較すると入園者数は約25%増。ブレイクから約16年がたち、あのとき子どもだった来園者は、大人に。風太くんは世代を超えて愛される存在なのだ。