10月クールの連ドラが出そろう中、注目を集めているのが毎週木曜日に放送中の『いちばんすきな花』(フジテレビ系)。
「昨年大きな話題になったフジテレビ系ドラマ『silent』のスタッフが再集結しています。“男女間の友情”がテーマで、主演が4人という贅沢なキャスティング。多部未華子さん、松下洸平さん、今田美桜さん、神尾楓珠さんが、恋愛と友情の間で揺れ動く姿を演じます」(テレビ誌ライター、以下同)
期待が高かったわりに視聴率は今のところ苦戦ぎみ。
「旧ツイッターの『X』ではトレンド1位になっていますし、だんだん盛り上がってくるでしょう。松下さんが演じる春木椿は、結婚を目前にした恋人に裏切られる経験を持ちながら、誰にでも親切な“いい人”。難しい役柄を好演しています」
松下が知られるようになったのは、2019年のNHK朝ドラ『スカーレット』。ヒロインの夫役で、確かな演技力とさわやかさが高く評価された。
「長い下積み生活があり、そのときは30歳を超えていました。21歳でシンガー・ソングライターとしてデビュー。ミュージシャンとして成功できず、1年後にミュージカルのオーディションを受けたのをきっかけに、舞台やミュージカルに活動の場を移します。その後テレビに出演するようになりますが、なかなか芽が出ずに10年がたちました」(スポーツ紙記者、以下同)
役者に向いていないのでは、と悩んでいるときに、声をかけてくれた先輩がいた。
2人のおじさんとの出会いが転機に
「2012年のTBS系ドラマ『もう一度君に、プロポーズ』で連ドラ初出演。大きな役ではなかったのですが、共演した光石研さんに出会えたことが転機に。芝居ができずに監督に怒られていると“何やってもいいから。カバーするために僕たちがいるから”と励まされたそう。2013年のフジテレビ系ドラマ『カラマーゾフの兄弟』で一緒だった吉田鋼太郎さんにもいろいろ教えられて、2人にはいつか再び共演して恩返しをしたいと話していますね」
朝ドラのオーディションでは一次審査止まりが続き、4回目でようやくつかんだのが『スカーレット』での役だった。
「実直な青年の役が、松下さんのキャラクターに合っていましたね。本人もこの役でひと皮むけたことを自覚していたようで“今までよりも少し高いところに立って視野が広がり、もっと先が見えるようになった”と話していました」(前出・テレビ誌ライター)
『いちばんすきな花』でも好青年役。ただ、面倒を避けて“いい人”を演じているのではないかと悩む、という役。
「複雑な心の陰を表現するのは役者として力の見せどころ。松下さんは苦労が多かったので、その経験を生かして演じればいいのでは」(前出・スポーツ紙記者)
silentな演技が、いちばんの花になる。