9月16日放送の『Nスタ』(TBS系)に、男子棒高跳びの世界記録保持者であるスウェーデンのアーマンド・デュプランティス選手が生出演。『世界陸上』3連覇を達成した直後の貴重なインタビューとなったが、番組の受け入れ体制に視聴者から思わぬ批判の声が相次いでいる。
置き去りにされた視聴者たち
この日の放送では、同番組の司会である井上貴博アナ、出水麻衣アナ、コメンテーターの東尾理子のほか、『世界陸上』のリポートをしている石井大裕アナも加わり、前日に自身の世界記録6m29cmを1センチ更新する6m30cmを記録したデュプランティス選手をスタジオに迎えたのだが、問題となったのは肝心な“通訳体制”だったという。
「専門の通訳者を起用せず、英語が堪能な石井アナと出水アナが、それぞれ通訳を兼務する形となったのですが、そのやり取りが混乱を極めていたのです。まず出水アナは、デュプランティス選手が話している最中、自分で理解してしまい、いきなり『えーっ!?』と大興奮。ひとりで勝手に盛り上がっていました。
石井アナも、選手がかなりの時間をかけて詳しく話した内容を、ほんの一言、二言で要約して自分の頭で理解してしまい、再び英語で話しかけるという流れを繰り返したのです。きちんと訳せば視聴者に伝わる内容も、十分に伝わりきらない状況が続いていました」(スポーツ紙記者、以下同)
特に棒高跳びで跳躍した際、「これはクリアできる、もしくはクリアできないなと直感するのは空中のどの段階?」という興味深い質問をしたにもかかわらず、その答えに対してアナウンサーたちが身内のノリで盛り上がり、テレビの前の視聴者は置き去りにされた形になったというのだ。
グダグダのまま終わったインタビューに対し、ネット上は厳しい批判が相次いだ。
《ひとりで勝手に盛り上がらないでしっかりと通訳してよ》
《自分だけわかってたらそれでいいの? ニュース番組のテイをなしてなくない?? あれでいいん?》
《選手が話した内容がほとんど伝わってこなかった》
など、不満の声が多く見られた。なぜこのようなずさんな通訳体制になってしまったのだろうか。
「かつてプロテニスプレーヤーとして活躍していた石井アナは、その豊富な海外遠征の経験から英語も流暢。今回の『世界陸上』でも選手に直接英語で話しかけ、自ら通訳していたことから今回のスタジオに呼ばれたのでしょう。出水アナも幼少時代、アメリカで生活していて英語力は相当なもの。英検1級も取得しているそうですが、英語が堪能なことと通訳は別物。特にこうした専門的な内容のインタビューはきちんと通訳を立てて、質問する人と通訳を明確にわけるべきでした」
デュプランティス選手は今回、海外など全メディアからの取材オファーを断って、この番組に出演してくれたという。そんなありがたい話を『Nスタ』自ら台無しにしてしまったようだ。