スケジュールは数年先まで決まっている状態

 節制に努めるなかで、年齢的に第一線を走り続ける不安も感じている。

いつ滑舌(かつぜつ)がダメになるのか、呂律(ろれつ)が回らなくなるのか、1時間立ったままのライブはずっと続けられるのか、漠然とした不安はありますよ。生涯現役? 舞台では死にたくないですよね。かつらとかはずれちゃうでしょ(笑)。

 52歳と67歳で、同じことをやっているのは、正直、体力的にきついです。ライブ会場の規模を小さくするとか、2部構成にして休憩を入れる。1部は座って落語風で、2部が漫談とか。形を変えていくことを考えたりします。3年後は70歳。2020年東京五輪に、五輪で“ご臨終”なんてね(笑)。引退? それはチケットが売れなくなったときですね

 毎回、各会場ともチケットは完売し、スケジュールは数年先まで決まっている。独自のスタイルを確立させた、唯一無二の毒舌漫談家の歩みを止めることは、まだまだできなさそうだ。

 息抜きの方法を最後に教えてくれた。お酒も飲まず、タバコも吸わない、きみまろ流息抜きは、メダカの飼育。金魚や熱帯魚は、水槽の横から鑑賞するもので、メダカは唯一、上から鑑賞して楽しむ魚という。

「メダカは横から見ると、みんな同じですが、上からだと、背中に模様やラメがあったり、色も違うんです。1時間ずっと見ていられます。一生懸命、動いている姿に、不思議と癒されるんです」

『書きとり きみまろ』講談社/1000円+税 ※記事の中で画像をクリックするとamazonの紹介ページに移動します
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■15周年記念本 第2弾!
きみまろ漫談を読んで、笑って、なぞって美文字に。『書きとり きみまろ』(講談社/1000円+税/発売中)

<プロフィール>
あやのこうじ・きみまろ/1950年12月9日生まれ。鹿児島県出身。’79年に漫談家デビュー。大物演歌歌手の専属司会者を経て、’02年にアルバム『爆笑スーパーライブ第1集!中高年に愛をこめて…』で、メジャーデビュー。『第17回日本ゴールドディスク大賞』で 企画・アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。15周年記念本『綾小路きみまろ爆笑フォーエバー』(文芸春秋)発売中