神戸っ子は『とくれん』が大好き

ごはんがアルミパックで出るのは静岡だけと最近知った」(静岡県・40代=会社員)

 アルミパックとは!?

 静岡県学校給食会に聞いてみると、

「1976年に米飯給食が導入されるまで、ずっとパン給食だったので県内に炊飯業者がいなかったんです。そこで、パン釜でごはんを炊けないかと考えられたのが、個人別アルミパックです。これによって、静岡県ではごはん給食が一気に普及しました。ただ最近は、他県同様クラス別に分けられたごはんが主流です」(物資課)

 現在でも、静岡県の一部地域では現役なのだそう。

静岡県の個人別アルミパックの米飯
静岡県の個人別アルミパックの米飯
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『とくれん』が全国区じゃなかったとは……」(兵庫県・40代=会社員)

 とくれん!? 調査をすると、徳島県の浅井缶詰が製造していることが判明。

「みなさんに“とくれん”の名前で親しんでもらってますが、正式名称は『プデナーオレンジ80』。果汁80%のオレンジゼリーで、凍らせた状態でもスプーンがスッと入るので“半シャリ”で食べるのが人気です」(浅井缶詰・田中明徳社長)

 “とくれん”とは徳島県加工農業協同組合連合会の略称。田中社長によれば、

「農協系の加工場だったんですが閉鎖になり、お付き合いがあったウチが17年前に商権を引き継ぎました。学校給食には北海道、京都や滋賀などの関西圏にも出しています。理由はわからないんですが、神戸だけ熱狂的人気なんです。

 学校給食はもちろん、神戸の飲食店やスーパーからも“扱いたい”というお声をいただき、置いてもらっています」

 神戸っ子御用達デザートのようだ。

神戸っ子は『とくれん』が大好き
神戸っ子は『とくれん』が大好き

 果汁を使った給食といえば、こちらは有名。

「みかん入り・ポンジュース入りのごはん」(愛媛県・40代=その他)

 西予市教育委員会の学校教育課によると、

「通常、ごはんはお水で炊くと思いますが、地元のみかんを使ったジュースで炊いたものです。以前から愛媛県の各市町村で学校給食に取り入れられていました。西予市ではみかんごはんを“みかん寿司”へとアレンジし、年に1~2回出していました。ごはんはややオレンジ色で、ほのかな甘みと酸味があります」

西予市のみかんごはんは、みかん寿司へ進化
西予市のみかんごはんは、みかん寿司へ進化

 そのほかには、「そば米雑炊」(徳島県・40代=主婦)、「ふぐ雑炊」(山口県・30代=主婦)、「だご汁」(熊本県・20代=不明)、「沖縄そば、タコライスなどの郷土料理」(沖縄県・20代=学生)と、まるでグルメ見本市。

 47都道府県、すべての学校に通ってみたかった!?