気温・気圧の変化で自律神経が乱れる

 低気圧になると、身体に不調が起こるのはわかったけれど、身体の中ではどんなことが起きているのか。不調の原因のもとをたどってみると、「自律神経が関係しているんですよ」と、自律神経の研究者である順天堂大学教授の小林弘幸先生。

 私たちの身体は、天気に関係なく、体内の環境を一定に保とうとする力が備わっています。夏の暑さや冬の寒さでも体温を一定に保ち、また外界の気圧の変化に合わせて、身体の内側からも対応しているんです。この働きをしているのが自律神経。ところが、「気温や気圧が急激に変化すると、自律神経の働きが追いつかず、低気圧女子を悩ませるわけですね」(小林先生)

 自律神経には、アクティブモードの交感神経と、リラックスモードの副交感神経があり、その人の活動状況や暑さや寒さに合わせて身体の機能をコントロールしているわけです。だから急激に寒くなる冬は、自律神経も乱れてしまう。さらに女性特有の身体の機能も大きく影響していて、「女性は40歳を過ぎたころから副交感神経の働きが落ちてきます。また月経などでホルモンの影響も受けるので、どうしても自律神経が乱れてしまいがちです」(小林先生)

 女性が天気で不調になりやすいってこと、納得です。

低気圧女子を克服する8プラン

「自律神経の総合力を引き上げるのも乱すのも、毎日の心がけ次第ですよ」と小林先生。

 ここからは天気に合わせて自律神経の乱れをコントロールする簡単な方法を、小林先生に教えてもらいましょう。

どんより曇っていたり、雨が降っていたり、しかも寒ければ、誰でもやる気が起こりませんよね。それは副交感神経が強く働くからで、意識的に交感神経を上げること。こんな日だからこそ、動きたくなくても動く! これがポイントです」(小林先生)

 でもでも動きたくない……その気持ちはわかるけれど、思いきって動いてみると、活発な行動がメンタルに作用して、不思議なことにやる気が出てくる。

 ちなみに晴れた日には交感神経が活発になりすぎるので、のんびり、ゆっくり過ごしたほうがいいそう。雨の日は動いて、晴れの日はのんびりなんてちょっと意外。覚えておきましょう。