ばんそうこうにも色々な呼び名が

 実は私たちが住んでいるニッポンには不思議なことがいっぱいある。自分の住んでいる地域では「常識」なことでも、他県に行けば違うことも。地域柄でアレコレ異なる、おもしろネタを集めてみました!

サビオからリバテープまで。ばんそうこうの不思議

 医薬品を製造・販売する、熊本に本社のあるリバテープ製薬によると、絆創膏のことを北海道は「サビオ」、関東・関西は「バンドエイド」、東北・中国・四国は「カットバン」、富山は「キズバン」、九州は「リバテープ」と呼ぶ。いずれも、現地で流通している商品名に由来している。

 かつて「サビオ」を取り扱っていたニチバン広報宣伝室、北海道出身の鈴木さんによると、

「サビオは取り扱いがなくなって久しく、現在では北海道でも若い世代には通じないこともあります」

 ちょっと寂しいような。

結婚式にまくのは餅? 婿?

 8割以上が会員制披露宴を行っているという北海道、豪奢な大皿に山海の美味を満載した「皿鉢料理」が欠かせない高知、列席者たちが集まって「千本杵」で餅をつく福島……。新郎新婦の門出の席は、地方によって千差万別。

 結婚情報誌『ゼクシィ』編集部によると、

「東海から北陸では、おめでたいことを近所で分かち合うということで、婚礼の日に2階からまんじゅうや菓子をまく習慣があります」

 ちなみに、新潟の松之山町では毎年1月15日、前年に結婚した“初婿”を雪の中に投げる「むこ投げ」という奇祭が今も行われている。次に結婚するのは、花婿をキャッチしたアナタ!?

全国で「泣く子はいねがー?」

 鹿児島県甑島(こしきしま)では、大みそかの夜に長い鼻でガラガラ声の「トシドン」がやって来る。「泣く子はいねがー」と叫ぶ秋田の「ナマハゲ」、東北各地の「カセドリ」、能登の「アマメハギ」など、全国に同様の習俗が。

 東京文化財研究所の久保田裕道さんによると、

「家にやって来たトシドンは、最後に大きな餅をくれて、それを子どもが背中にのせて運びます。年神様から霊力を分けてもらうという祭りです」

 ちなみに、これらはひとまとめにして、平成30年度にユネスコ無形文化遺産に登録される予定だ。

お骨を焼くのは葬式の前? 後?

 “1億円”と書いた半紙を棺に入れて送り出す岩手、故人が愛用していた茶碗を投げ落として割る和歌山。群馬周辺では葬儀受付が「新生活」「一般」と分かれている。国民生活が厳しかった戦後に始まった、香典を少額にして香典返しを辞退するのが「新生活」だ。茨城・水戸をはじめ通夜の前に火葬する地域があるなど、お別れの形はさまざま。

 ただし、葬祭事情に詳しい国立歴史民俗博物館の山田慎也准教授によると、

「近年はどの地方でも葬儀場利用の葬式が主流となったため、地域ごとに伝わっていた独特の風習は、だいぶ失われています」