(5)足元でも戦いが!

 セットや小物にも細かくこだわる大河ドラマ。今回のドラマで、時代劇の大変さを実感している、と鈴木は話す。

「撮影で使っている草履(ぞうり)やわらじは、本物のわらでできているんです。最初はそれが足の指に食い込んで皮がめくれてしまって。そうやって足を強くすることから始まりました。今回、僕がはいている草履は“足半”といって、足の指とかかとが全部露出しているもの。走ったりするのは楽なんですけど、これが痛いんです(笑)。最初は、突き指との戦いでした。

 クランクイン前に草履を編む練習もしたんですけど、1足作るのに結構な時間がかかるのに、意外とすぐに擦り切れてしまったり。当時の生活を経験できているのも面白いですね」

(6)こだわりのオープニング

 オープニングでは薩摩の子どもたちと吉之助が奄美の海岸で相撲をとったり、じゃれあっているが、なぜかそこには子ども時代を演じた渡邊蒼の姿が……。

「このタイトルバックがずっと使われるということは、見てくださる視聴者の方々が毎回、子ども時代の吉之助さんを思い出してストーリーに入っていけるんです。積み重ねていく時間をそこで感じていただければすごくうれしいですね」(鈴木)

「薩摩の子どもたちが、どうして奄美の海岸にいるのか。不思議なことがいっぱいありますがそこはあまり突き詰めないでいただければ(笑)」(櫻井CP)

(7)超難解!? 薩摩ことば

「いまだに薩摩ことばには苦労しています。セリフはすぐに覚えられるのですが、アクセントの位置などを覚えるのに、普段の何倍も時間がかかります」(鈴木)

 “あまりに難解すぎる”と視聴者から声が上がった薩摩ことば。しかし、言葉の雰囲気でドラマがリアルに感じられる、とも。亮平流の覚え方とは?

「まずは言葉指導をされている、俳優の迫田(孝也)さんに吹き込んでいただいたテープを聴いて、台本にアクセントが高くなる位置に丸を打ちます。そのセリフを自分なりに言葉にして録音。それを何度も聴いて覚えています。覚えるためには自分の声で聴くことが重要だと、今回わかりました」(鈴木)

 毎週ドラマで聴いていれば、自然にわかるようになる!?

 薩摩ことば指導として参加している迫田孝也は、大河ドラマ『真田丸』では終生、真田家に仕える矢沢三十郎頼幸を熱演した。「僕は『西郷どん』にも出たい! きたるべきときを待ちます!」(迫田)