見逃せないのは、ファン以外の人々にも、関ジャニ∞の団結力や、各メンバーの誠実な人間性が伝わったこと。これは「本人たちの口から真実や本音を語らせて、被害を最小限にとどめる」というクライシスコミュニケーション(危機管理広報)の基本です。

 それと同時に、「この会見をピンチからチャンスに変えよう。リスタートの第一歩にしよう」という意識が見えました。渋谷さんの契約が今年12月まで残っているにもかかわらず、7月からの5大ドームツアーに参加しないのは、「お別れ公演をするより、早くリスタートしたほうが、お互いに成功できる」というポジティブな姿勢の表れでしょう。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 過去にSMAPや、ももいろクローバーZなど、「メンバーの脱退をステップアップにつなげ、お互いに夢をかなえて美談になった」というケースもあるだけに、「これを機に関ジャニ∞をステップアップさせるんだ」というマネジメントがスピーディに採用されたのです。

 さらに、渋谷さんをはじめとする関ジャニ∞のメンバーが、自分の言葉ではっきりと語ったほか、記者たちの質問にも答えたことで、憶測記事をシャットアウト。思えばSMAPの解散騒動では、連日さまざまな角度から真偽の定かではない記事が飛び交う無法状態でした。

 けっきょく一昨年末の解散時にも会見を開かなかったことで憶測記事は続き、ジャニーズ事務所の印象は悪化する一方。その後も、各タレントの恋愛や結婚、「テレビ局や他の芸能事務所に対する圧力」など真偽不明の記事を書かれっぱなしでイメージダウンが続いていました。ここに来てようやく、そんな苦い教訓が生かされているのかもしれません。

 今年に入ってから、限定的ではあるものの、ネット上における写真使用が解禁されるなど、ジャニーズ事務所のマネジメントは、ようやくオープン路線に変わりはじめています。それだけに今回の会見を追い風に、さらなる情報のオープン化や風通しのいい組織であることを感じさせることで、イメージ回復につなげたいところでしょう。

「人生残り半分」で芽生えた自立心

 もう一つ、異例の会見を開いたメリットは、ジャニーズ事務所のタレントたちが、世間に自立心をアピールできたこと。日本中の人々がSMAPの解散騒動を見て、「ジャニーズ事務所のタレントたちは徹底的に管理されている」「事務所の意向に沿わないと、同じような目に遭わされる」というイメージを抱いてきました。